時間外・休日労働と割増賃金などについて解説しています。なお、働き方改革関連法により36協定の記載事項が大幅に改正されています。
労働時間
労働時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を除いた時間をいいます。
労働時間は、休憩時間を除いて、週40時間、1日8時間を超えて労働させていけません。
なお、 特例事業場(労働者数10人未満の①商業、②映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、③保険衛生業、④接客娯楽業)では、週44時間、 1日8時間を超えて労働させていけません。
労働基準法 (労働時間) 第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。 ② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法施行規則 第二十五条の二 使用者は、法別表第一第八号、第十号(映画の製作の事業を除く。)、第十三号及び第十四号に掲げる事業のうち常時十人未満の労働者を使用するものについては、法第三十二条の規定にかかわらず、一週間について四十四時間、一日について八時間まで労働させることができる。
別表第一(第三十三条、第四十条、第四十一条、第五十六条、第六十一条関係)
一 物の製造、改造、加工、修理、洗浄、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む。)
二 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業
三 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
四 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
五 ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業
六 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
七 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業
八 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
九 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業
十 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業
十一 郵便、信書便又は電気通信の事業
十二 教育、研究又は調査の事業
十三 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
十四 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業
十五 焼却、清掃又はと畜場の事業
休憩
休憩時間は、 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合には1時間時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければなりません。
なお、休憩時間は、一斉に与えなければなりませんが、労使協定を締結(一斉休暇適用除外の業種は労使協定は不要)により一斉に与える必要はありません。
労働基準法 (休憩) 第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 ② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。 ③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
一斉休憩の適用除外の業種は、①運輸交通業、②商業、③金融・広告業、④映画・演劇業、⑤通信業、保険衛生業、⑥接客娯楽業、⑦官公署です。
労働基準法 (労働時間及び休憩の特例) 第四十条 別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第三十二条から第三十二条の五までの労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。 ② 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであつて、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。
労働基準法施行規則 第三十一条 法別表第一第四号、第八号、第九号、第十号、第十一号、第十三号及び第十四号に掲げる事業並びに官公署の事業(同表に掲げる事業を除く。)については、法第三十四条第二項の規定は、適用しない。
休日
休日は、毎週少なくとも1日、又は、4週間に4日以上を与えなければなりません。
(休日) 第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。 ② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
参考
① 休日とは、労働契約で労働義務がないとされている日のことをいいます。
② 何曜日を休日と定めても、また、週によって休日の曜日が異なる定めをしても労基法上は問題ありません。
③ 休日は、原則として午前0時から午後12時までの継続24時間の暦日で与えなければなりません。(昭和23年4月5日基発535号、昭和23年11月9日基発2968号)
④ 1日のうち一部でも仕事をさせれば、たとえ1時間くらいの短い時間であったとしても、その日は休日を与えたことにはなりません(休日としていた日であれば、休日労働をさせたことになります。)。
休日の振替
「休日の振替」とは、予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを言います。これにより、予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。従って、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。
但し、次のとおりの要件が必要です。
① 就業規則等において休日を振り替えることができる旨の規定を設けること。 (昭和23年4月19日基収1397号、昭和63年3月14日基発150号)
② 休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定すること。(昭和23年4月19日基収1397号、昭和63年3月14日基発150号)
③ 起算日から4週4日の休日が確保されていること。(昭和23年9月20日基発1384号)
④ 休日の振替が週をまたがった場合に週の法定労働時間を超えときには、時間外の割増賃金を支払う必要があること。(昭和22年11月27日基発401号、昭和63年3月14日基発150号)
(参考)
就業規則等においてできる限り、休日振替の具体的事由と振替日を規定すことが望ましく、また、振替日はできる限り近接していることが望ましい。(昭和23年7月5日基発968号、昭和63年3月14日基発150号)
代休
いわゆる「代休」とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものであって、前もって休日を振り替えたことにはなりません。従って、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。
変形労働時間
1箇月単位(労基法32の2)や1年単位(労基法32の4)などの変形労働時間制があります。
1箇月単位は就業規則に規定するか労使協定により、1年単位は労使協定により、一定の期間の所定労働時間を平均して週40時間(特例事業場では1箇月単位の変形労働時間の場合は44時間)を超えない定めをすれば、あらかじめ特定した週、日について法定労働時間を超える所定労働時間とすることができるものです。
特定された週や日の時間を使用者が自由に変更できません。労使協定はいずれも所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。
時間外・休日労働
時間外または法定休日に働かせる場合には、あらかじめ過半数を組織する労働組合がある場合にはその労働組合との間又は労働者の過半数代表者に、「時間外労働・休日労働に関する協定」を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
この協定は労基法第36条に規定されていることから、「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。
働き方改革関連法による改正事項
これまで36協定の限度基準は、告示で定めれていましたが、次のとおり働き方改革関連法により労働基準法、労働基準法施行規則が改正され、また、告示が指針となりました。
なお、主な改正内容は、時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定された。
36協定記載事項の主な改正点
36協定記載事項の主な改正点は次のとおりです。
1 労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされた労働者の範囲
「業務の種類」及び「労働者の数」を協定するもの
改正前 規則で「業務の種類」「労働者の数」と規定
改正後 法で「労働者の範囲」と規定
2 対象期間
時間外・休日労働協定は1年間の上限(「1年に限る」と規定)
期間が1年未満でも対象期間は1年間とする必要有
3 労働時間を延長し、又は休日労働させることができる場合
具体的事由について協定するもの
改正前 規則に規定
改正後 法では表現変更(具体的事由の記載無、場合と記載)
4 対象期間における1日、1箇月及び1年の労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
1日、1箇月及び1年の延長労働時間数又は休日労働日数の記載が必要
改正前 1日を超える期間
改正後 1箇月及び1年の期間が必要
【限度時間】(原則)
1か月45時間(1年単位の変形労働時間の場合42時間)以下
1年 360時間(1年単位の変形労働時間の場合320時間)以下
所定労働時間を超える時間数、所定休日の記載欄追加(任意)
5 労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
① 時間外・休日労働協定の有効期間の定め
② 1年について労働時間を延長して労働させることができる起算日
起算日の記載が必要
記載例に「協定の有効期間にかかわらず、同一である必要がある。」と記載
(意味)期間中に協定の改定があっても起算日は変更しない旨の規定
③ 要件(1箇月100時間未満、平均80時間以下)を満たすこと
1か月 100時間未満(休日労働を含む)
2、3、4、5、6か月平均80時間以下(休日労働を含む)
チェックボックス欄にチャック必要(チェックがない場合は無効)
④ 限度時間を超えて労働させることができる場合
特別条項を設ける場合に具体的事由を協定するもの
【特例条項】
通常予見することができない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要な場合
1年720時間以下、限度時間超え年について6箇月以内(年6回)
● その他
・ 労働保険番号及び法人番号の記載追加
・ 連続する月の月末・月初に集中して長時間の時間外を行うことは好ましくない旨通達で記載
・ 自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合について通達で記載
使用者が労働者の他社での労働時間も適正に把握する責務有
「副業・兼業の促進に関するガイドライン」による管理必要
⑤ 限度時間を超えて労働させる場合の健康及び福祉を確保するための措置
労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置の記載が必要
(指針第8条に規定、記載心得記載の措置の番号の記載が必要)
1 労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること。
2 法第37条第4項に規定する時刻の間において労働させる回数を1箇月について一定回数以内とすること。
3 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること。
4 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること。
5 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること。
6 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること。
7 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。
8 労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。
9 必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は労働者に産業医等による保健指導を受けさせること
健康福祉確保措置の実施状況の記録が必要(3年間の保存も必要)
⑥ 限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率
1か月及び1年について割増賃金率の記載が必要(就業規則にも記載が必要)
⑦ 限度基準を超えて労働させる場合の手続き
所定の手続を定め、その手続を経ることなく、労働させた場合は法違反
(時間外及び休日の労働) 第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
改正前は、労働基準法、労働基準法施行規則、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準で規定されていましたが、改正後は、 労働基準法、労働基準法施行規則、 労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針でそれぞれに必要な記載事項が規定されるようになりました。以下のとおり整理しましたので、参考にしてください。
36協定の締結
使用者は、時間外労働・休日労働を行わせるためには、労働者の過半数を組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間で、書面により36協定を締結しなければなりません。
なお、36協定の記載事項は、改正内容を踏まえ記載してください。なお、チェックボックスのチェックを忘れると受付てもらえません。(参考:36記載例記載例、特別条項の記載例)
36協定締結の際の過半数代表者の選出手続き
事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)を選出し、労働者側の締結当事者とする必要がありますが、過半数代表者になることができる労働者の要件と、正しい選出手続きは、下記のポイントのとおりです。過半数代表者の選出が適正に行われていない場合、36協定を締結し、労働基準監督署長に届け出ても無効となります。
押印の廃止に伴い、36協定の協定当事者に関する次の2つのチェックボックスの新設されました。チェック無い場合受付できません。
① 上記協定の当事者である労働組合が事業場のすべての過半数で組織する労働組合である又は上記協定の当事者である労働者の過半数を代表する者が事業場のすべての労働者の過半数を代表者であること
▢要チェック
② 上記労働者の過半数を代表する者が、労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でなく、かつ、同法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと
▢要チェック
過半数代表者となることができる労働者の要件は、労基法41条2号に規定する管理監督者でないことです。
管理監督者とは、一般的には部長、工場長など、労働条件の決定その他労務管理について経者と一体的な立場にある人を指します。 過半数代表者の選出に当たっては、管理監督者に該当する可能性のある人は避けた方がよいでしょう。
過半数代表者を選出するための正しい手続きは、36協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにしたうえで、投票、挙手などにより選出することです。
選出手続きは、投票、挙手の他に、労働者の話し合いや持ち回り決議などでも構いませんが、労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きがとられていることが必要です。また、選出に当たっては、パートやアルバイトなどを含めたすべての労働者が手続きに参加できるようにしましょう。
会社の代表者が特定の労働者を指名するなど、使用者の意向によって過半数代表者が選出された場合その36協定は無効です。
社員親睦会の幹事などを自動的に過半数代表者にした場合、その人は36協定を締結するために選出されたわけではありませんので、協定は無効です。この場合は、改めて36協定の締結当事者となることの信任を得ることが必要です。
36協定の記載例
特例条項の記載例
作成支援ツール(36協定届、1年単位の変形労働時間制に関する書面)
- 入力フォームから必要項目を入力・印刷することで、労働基準監督署に届出が可能な次の4種類の書面を作成することができます。
36協定届及び1年単位の変形労働時間制に関する書面の作成は、パソコン環境にてお願いします。- 〇時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)
- 〇1年単位の変形労働時間制に関する書面
協定届、労使協定書、労働日等を定めたカレンダー
- WEB診断に登録されているユーザーは、メールアドレスとパスワードを入力し、ログインしてください。初めて利用する方は、会員登録をして支援ツールを利用するか、ゲストで作成(登録しないで作成)するかを選ぶことができます。
- 登録ユーザーは、36協定届、1年単位の変形労働時間制に関する書面の入力データを保存し、過去に登録したデータを呼び出して書き換えることができます。
第9号、第9号の2、第9号の3、第9号の4それぞれの様式を基にした画面表示に変更され、入力場所を確認しながら入力することで、直感的に36協定届を作成することができます。
労働基準法が改正され、2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働のルールが大きく変わりました。
新しいルールと、新しい様式になった36協定届の記入方法についての解説動画をご覧ください。
- 時間外・休日労働に関する協定届【様式第9号】
- 時間外・休日労働に関する協定届【様式第9号の2(特別条項付き協定)】
- 時間外・休日労働に関する協定届【様式第9号の3(新技術、新商品等の研究開発業務)】
- 時間外・休日労働に関する協定届【様式第9号の4(建設の事業・自動車運転者・医師・製糖業等)】
ご利用上の注意
必ずご一読ください
- ・2021年4月1日より、36協定届等が新しくなり、使用者の押印及び署名が不要となります。
- ・労働者代表と使用者の合意のうえ締結された労使協定の内容を作成支援ツールに入力していただき、所轄労働基準監督署に届け出てください。
- ・過去に中小企業の方が作成された、協定の有効期間の始期が2020年3月31日以前の旧様式の36協定をご覧になりたい場合は、「(旧様式閲覧用)中小企業の方作成支援ツール」をご確認ください。
- ・本ツールの仕様上、過去に「中小企業の方作成支援ツール」で作成されたデータを「作成支援ツール」に用いることはできず、閲覧のみとなります。
- ※中小企業の内、2024年3月31日まで上限規制が適用猶予される事業場・労働者(建設業、鹿児島・沖縄の砂糖製造業、自動車運転者、医療に従事する医師)の方は、こちらをご覧ください。
- ※時間外労働の上限については、こちらを参照ください。
周知
時間外労働・休日労働協定については、就業規則やその他各種の労使協定と同様に、常時各作業場の見やすい場所への備え付け、書面を交付する等の方法により、労働者に周知する必要があります(労働基準法第106条)。
届出様式
次のとおり、改正前の様式は4つでしたが、改正後は7つあります。様式を間違いのないように選択してください。
様式第9号 限度時間内で時間外・休日労働を行わせる場合
様式第9号の2 特別条項付
様式第9号の3 新技術・商品等の研究開発業務
様式第9号の4 適用猶予事業(建設、自動車運転、医師、鹿児島県及び沖縄の砂糖製造)
様式第9号の5 事業外労働に関する協定の内容を付記して届け出る場合
様式第9号の6 労使委員会の決議届として届け出る場合
様式第9号の7 労働時間等設定改善委員会の決議届 として届け出る場合
適用が除外または猶予されている事業・業務
改正前は、次のとおり通達で限度基準の適用除外が定められていました。
改正後は、上記の赤字に医師を加えて、適用が除外または猶予されている事業・業務が労働基準法で規定されました。
適用猶予
1 建設事業
2 自動車運転の業務
3 医師
4 鹿児島県及び沖縄県の砂糖製造業
適用除外
1 新技術・新商品等の研究開発業務
労働基準法では、次のとおり規定されています。
罰条の適用
罰則の適用は、次のとおり規定されています。なお、医師のみ労働基準法第141条第5項違反となりますが、全て6箇月以懲役懲役又は30万以下の罰金です。
割増賃金
時間外、深夜(午前10時から午後5時)及び法定休日に労働させた場合は、次の割増率以上の割増賃金を支払わなければなりません。
時間外労働 2割5分以上
深夜労働 2割5分以上
法定休日労働 3割5分以上
なお、時間外労働が1箇月60時間を超えた場合は、5割以上の割増賃金を支払わなければなりません。
労働基準法 (時間外、休日及び深夜の割増賃金) 第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 ② 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。 ③ 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。 ④ 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 ⑤ 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
中小企業の場合は、60時間以上の割増賃金の支払いは、令和5年3月31日まで適用が猶予されています。根拠は、改正前の労働基準法第138条が削除され、働き方改革関連法附則第1条関係で規定されています。