「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)解説 安全・安心 社労士投稿

労働安全衛生法

高年齢労働者の安全衛生対策について

労働災害のうち60歳以上の高年齢労働者が占める割合増加

 労働災害による休業4日以上の死傷者数のうち、60歳以上の労働者が占める割合は、令和2年で26.6%で近年増加傾向にあります。令和2年の60歳以上を占める雇用者は18.0%を占め、今後、高齢者の就労が一層進むと予測される中、高齢者が安心して安全に働ける職場環境の実現が求められています。

労働災害の発生率は高年齢労働者で高い。特に、陸上貨物運送事業で高い。

高年齢者の墜落・転倒災害は男性で4倍、交通事故は男性で3倍、転倒災害は女性で16倍

高年齢労働者は、休業見込み期間が長い。

高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン

 厚生労働省は、令和2年3月16日、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(通称:エイジフレンドリーガイドライン。以下「ガイドライン」という。)を公表しましたので、概要を解説します。
 ガイドラインは、高年齢労働者の就労が一層進み、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者の占める割合が増加すると見込まれる中、高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境の実現に向け、事業者や労働者に取組が求められる事項を取りまとめたものです。

【ガイドラインのポイント】

1 事業者に求められる取組

 高年齢労働者の就労状況や業務の内容等の実情に応じて、国や関係団体等による支援も活用して、法令で義務付けられているものに必ず取り組むことに加えて、実施可能な高齢者労働災害防止対策に積極的に取り組むよう努める。

【具体的な取組】

(1)安全衛生管理体制の確立等

 経営トップ自らが安全衛生方針を表明し、担当する組織や担当者を指定するとともに、高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害についてリスクアセスメントを実施

(2)職場環境の改善

 照度の確保、段差の解消、補助機器の導入等、身体機能の低下を補う設備・装置の導入などのハード面の対策とともに、勤務形態等の工夫、ゆとりのある作業スピード等、高年齢労働者の特性を考慮した作業管理などのソフト面の対策も実施

(3)高年齢労働者の健康や体力の状況の把握

 健康診断や体力チェックにより、事業者、高年齢労働者双方が当該高年齢労働者の健康や体力の状況を客観的に把握

(4)高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応

 健康診断や体力チェックにより把握した個々の高年齢労働者の健康や体力の状況に応じて、安全と健康の点で適合する業務をマッチングするとともに、集団及び個々の高年齢労働者を対象に身体機能の維持向上に取り組む

(5)安全衛生教育

 十分な時間をかけ、写真や図、映像等文字以外の情報も活用した教育を実施するとともに、再雇用や再就職等で経験のない業種や業務に従事する高年齢労働者には、特に丁寧な教育訓練を実施

2 労働者に求められる取組

 事業者が実施する労働災害防止対策の取組に協力するとともに、自己の健康を守るための努力の重要性を理解し、自らの健康づくりに積極的に取り組むよう努める。

 【具体的な取組】

①健康診断等による健康や体力の状況の客観的な把握と維持管理

②日常的な運動、食習慣の改善等による体力の維持と生活習慣の改善

3 国・関係団体等による支援の活用

 事業者は労働災害防止対策に取り組むに当たり、国、関係団体等による支援策を効果的に活用することが望ましい。

①個別事業場に対するコンサルティング等の活用

②エイジフレンドリー補助金等の支援策の活用

「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の策定について(令和2年3月16日付け基安発0316第1号)[PDF形式:1,495KB]

パンフレット「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(8ページ版、令和3年6月)[PDF形式:1,667KB]

パンフレット「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(4ページ版、令和2年8月)[PDF形式:1,519KB]

高年齢労働者の安全衛生対策に関する各種事業

エイジフレンドリー補助金事業

 高年齢労働者を雇用する中小事業者等を対象に、高齢者が安心して安全に働くための職場環境の整備等に要する費用を補助します。

エイジフレンドリー補助金について

エイジフレンドリー補助金について

お知らせ

令和3年度の補助事業者は「一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会」に決定いたしました。

令和3年度エイジフレンドリー補助金

申請受付期間:令和3年6月11日(金)から10月末まで

お問い合わせ先 

令和3年度補助事業者
一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会 エイジフレンドリー補助金事務センター
(HP:https://www.jashcon-age.or.jp

【申請関係】
電話:03-6381-7507 FAX:03-6381-7508
(平⽇(10:00~12:00、13:00~16:00)、土日祝日休)
メール:af-hojyojimucenter@jashcon.or.jp

【支払い関係】
電話:03-6809-4085 FAX:03-6809-4086
(平⽇(10:00~12:00、13:00~16:00)、土日祝日休)
メール:af-shiharai@jashcon.or.jp

エイジフレンドリー補助金とは

目的

 エイジフレンドリー補助金は、⾼齢者が安⼼して安全に働くことができるよう、中小企業事業者による職場環境の改善等の安全衛生対策の実施に対し補助を行うもので、令和2年度に創設されました。 特に、社会福祉施設、医療保健業、旅館業や飲⾷店等の接客サービス業等では、高齢者が就労する際に利⽤者等と密に接する業務での新型コロナウイルス感染を防⽌するための設備や作業の改善も重要です。

補助対象

対象となる事業者

支給対象となる事業者は、次のいずれにも該当する事業者です。

(1) 高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用している

(2) 次のいずれかに該当する事業者であること

業種常時使用する労働者数資本金又は
出資の総額
小売業小売業、飲食店、持ち帰り配達飲食サービス業50人以下5,000万円以下
サービス業医療・福祉、宿泊業、娯楽業、教育・学習支援業、情報サービス業、物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業など100人以下5,000万円以下
卸売業卸売業100人以下1億円以下
その他の業種製造業、建設業、運輸業、農業、林業、漁業、金融業、保険業など300人以下3億円以下

※労働者数若しくは資本金等のどちらか一方の条件を満たせば中小企業事業者となります。

(3) 労働保険に加入している
 ※そのほか支給決定に当たって審査があります。

対象となる対策

 働く高齢者を対象として職場環境を改善するための次の対策に要した費用を補助対象とします。

  • 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
  • 働く高齢者の健康や体力の状況の把握等              
  • 高年齢労働者の特性に配慮した安全衛生教育
  • その他、働く高齢者のための職場環境の改善対策

 また、新型コロナウイルスの感染防止を図りつつ高齢者が安心して働くことができるよう、利用者や同僚との接触を減らす対策を補助対象とします。 対策についての詳細は、リーフレット及びQ&Aをご参照ください。なお、実施する対策の内容等を審査の上、支給決定を行いますのでご留意ください。
リーフレット「エイジフレンドリー補助金」のご案内[PDF形式:628KB]
エイジフレンドリー補助金Q&A[PDF形式:543KB]

規程等

交付要綱・実施要領

交付要綱(令和3年3月23日改正)[PDF形式:289KB]

実施要領(令和3年3月23日改正)[PDF形式:445KB]

交付規程

交付規程(本文)[PDF形式:232KB]

様式1(交付申請書)[DOC形式:30KB]

様式1の別添(日本標準産業分類)[XLS形式:35KB]

様式1-1(誓約及び申立書)[DOC形式:24KB]

様式1-2(高年齢労働者名簿)[DOC形式:22KB]

様式1-3(間接補助金対象経費内訳書)[XLS形式:13KB]

様式2(交付決定通知書)[PDF形式:90KB]

様式2-1(取得財産等管理台帳)[DOC形式:20KB]

様式3(実績報告書及び精算払請求書)[DOC形式:21KB]

様式4(交付確定通知書)[PDF形式:58KB]

様式5(仕入控除税額報告書)[DOC形式:20KB]

様式6(承認申請書)[DOC形式:20KB]

高年齢労働者安全衛生管理セミナー事業

令和2年3月に策定した「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」の解説を中心に、高年齢労働者の労働災害防止対策等を紹介するセミナーを開催します。

令和2年度「高年齢労働者安全衛生管理セミナー事業」について

高年齢労働者安全衛生対策実証等事業

 厚生労働省では、高齢者の特性に配慮し、高年齢労働者が安心して安全に働くことのできる取組(以下、「高年齢労働者安全衛生対策」という。)の普及のため、独創的・先進的な安全衛生対策を募集します。

令和2年度「高年齢労働者安全衛生対策実証等事業」について

令和3年度「高年齢労働者安全衛生対策機器実証事業」について

報告書

 人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議の報告書を踏まえ、安全と健康確保のために事業者及び労働者が取り組むべき事項をとりまとめました。

 人生100年時代を迎え、高齢者から若者まですべての人が元気に活躍でき、安心して暮らせる社会づくりが必要とされています。今後、60歳以上の雇用が一層進むものと予測される中、労働災害による休業4日以上の死傷者のうち、60歳以上の労働者の占める割合は26%(平成30年)で増加傾向にあります。こうした状況を踏まえ、この有識者会議は、高年齢労働者の安全と健康に関して幅広く検討するため、令和元年8月から同年12月までに5回にわたり開催したものです。

「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」報告書(令和2年1月)

検討会

人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議

資料・リーフレット等

 高年齢労働者の安全衛生に関する資料やリーフレットです。ぜひ、ご活用ください。

転倒・腰痛予防!「いきいき健康体操」(令和元年度厚生労働科学研究費補助金 労働安全衛生総合研究事業「エビデンスに基づいた転倒予防体操の開発およびその検証」の一環として製作)

エイジアクション100~ 生涯現役社会の実現につながる高年齢労働者の安全と健康確保のための職場改善に向けて ~(平成30年)

高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策-先進企業の取組事例集(中央労働災害防止協会,平成29年)

高年齢者に配慮した交通労働災害防止の手引き(高年齢になっても安全・健康に働くために)

高年齢労働者の身体的特性の変化による災害リスク低減推進事業に係る調査研究報告書
 (「転倒等リスク評価セルフチェック票」を含む,平成22年)

高年齢労働者に配慮した職場改善マニュアル~チェックリストと職場改善事項(平成21年)

高年齢労働者に配慮した職場改善事例(製造業)

 

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