令和3年7月21日に雇用保険法施行規則の一部を改正する省令が公布された。その概要を紹介します。その概要は次のとおりです。
①高年齢者被保険者(副業)
②育児休業給付に係るみなし被保険者期間
③有期雇用労働者に係る育児・介護休業取得要件緩和
1 雇用保険法改正の趣旨
雇用保険法(昭和49年法律第116号)第6条第1項第1号において「1週間の所定労働時間が20時間未満である者」については、雇用保険法の適用除外とされているところ、令和4年1月1日より、65歳以上の労働者を対象に、本人の申出を起点に、2つの事業所の労働時間を合算して「週の所定労働時間が20時間以上である」ことを基準として雇用保険を適用する次の制度が施行されることになりました。
(制度の対象者となる要件、雇用保険法第37条の5第1項各号)
① 2以上の事業主の適用事業に雇用される 65 歳以上の者
② ①のそれぞれ1の事業主の適用事業における1週間の所定労働時間が 20 時間未満
③ ①のうち2の事業主の適用事業における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上
これにより、複数の事業主に雇用される 65 歳以上の労働者について、本人の申出に基づき、雇用保険の高年齢被保険者となることができることとなった。
2 雇用保険施行規則の改正概要(高年齢被保険者関係(副業))
これに伴い、令和3年7月21日の雇用保険法施行規則(昭和 50 年労働省令第3号)の一部の規定について次のような所要の整備が行われました。
当該申出により高年齢被保険者となろうとする者又はなった者について合算した週の所定労働時間等の就業状況を、その雇用する事業主が把握し、各種の手続を行うことは困難です。そのため、通常事業主がその事業所を管轄する公共職業安定所に対して行う雇用保険に関する事務について、当該労働者本人が本人の住居所を管轄する公共職業安定所に対して行うこととし、これに伴う所要の規定の整備が行われました。
(参考 改正法)
附則
第1条 雇用保険法(昭和49年法律第106号。以下「法」という。)第81条第1項の規定により、法第7条、第9条第1項、第37条の5第1項、第2項及び第4項並びに第38条第2項の規定による厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任する。
5 雇用保険に関する事務のうち、公共職業安定所長が行う事務は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、適用事業の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(厚生労働省組織規則(平成13年厚生労働省令第1号)第793条の規定により当該事務を取り扱わない公共職業安定所を除く。以下同じ。)の長(次の各号に掲げる事務にあっては、当該各号に定める公共職業安定所長)が行う。
1号に「法第37条の5第1項の申出をして高年齢被保険者となった者」が追加
第65条の6から14まで申出の手続きについて規定
施行期日 令和4年1月1日
(参考 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱)
第一 雇用保険法施行規則の一部改正
一 特例高年齢被保険者に関する事務の管轄
1 法第三十七条の五第一項、第二項及び第四項の規定による厚生労働大臣の権限は、公共職業安定所長に委任するものとすること。
2 法第三十七条の五第一項の申出をして高年齢被保険者となった者(以下「特例高年齢被保険者」という。)について行う雇用保険に関する事務(失業等給付(雇用継続給付を除く。)並びに雇用安定事業及び能力開発事業に関する事務を除く。)は、その者の住所又は居所を管轄する公共職業安定所(以下「管轄公共職業安定所」という。)の長が行うものとすること。
二 特例高年齢被保険者となるための申出
1 特例高年齢被保険者となるための申出は、次に掲げる事項を記載した届書に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳その他の当該事項を証明することができる書類を添えて、個人番号登録届と併せて管轄公共職業安定所の長に提出することによって行うものとすること。
① 当該申出を行う者の氏名、性別、住所又は居所及び生年月日
② 当該申出に係る事業所の名称及び所在地
③ 当該申出に係る適用事業における一週間の所定労働時間
④ ①から③までに掲げるもののほか、当該申出に必要な事項として職業安定局長が定めるもの
2 1の申出を行う者は、当該申出に係る事業主が同居の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他特に確認を要する者として職業安定局長が定める者に該当する場合には、1に規定する届書に、1に規定する書類のほか、職業安定局長が定める書類を添えなければならないものとすること。
3 1の申出を行う者は、1及び2の規定にかかわらず、職業安定局長が定めるところにより、これらの規定に定める書類を添えないことができるものとすること。
4 事業主は、1の申出を行おうとする者から当該申出を行うために必要な証明を求められたときは、速やかに証明しなければならないものとすること。
5 公共職業安定所長は、1に規定する届書の提出があった場合において、特例高年齢被保険者となったことの事実がないと認めるときは、その旨を特例高年齢被保険者となったことの事実がないと認められた者及び当該届書に係る事業主に通知しなければならないものとすること。
三 二の1の申出を行う者の一の事業主の適用事業における一週間の所定労働時間の下限二の1の申出を行う者の一の事業主の適用事業における一週間の所定労働時間の下限は、五時間とすること。
四 特例高年齢被保険者でなくなったことの申出
1 特例高年齢被保険者でなくなったことの申出は、特例高年齢被保険者が法第三十七条の五第一項各号の要件を満たさなくなったとき、当該事実のあった日の翌日から起算して十日以内に、次に掲げる事項を記載した届書に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳その他の当該要件を満たさなくなったことの事実及びその事実のあった年月日を証明することができる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出することによって行うものとすること。
① 当該申出を行う者の氏名、性別、住所又は居所及び生年月日
② 当該申出に係る事業所の名称及び所在地
③ 法第三十七条の五第一項各号の要件を満たさなくなった理由
④ ①から③までに掲げるもののほか、当該申出に必要な事項として職業安定局長が定めるもの
2 1の申出を行う者は、法第三十七条の五第一項各号の要件を満たさなくなった理由が離職であるときは、1に規定する届書に、1に規定する書類のほか、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める書類を添えなければならないものとすること。ただし、1に規定する届書を提出する際に当該特例高年齢被保険者が離職票の交付を希望しないときは、この限りでないものとすること。
① ②に該当する者以外の者 離職証明書及び賃金台帳その他の離職の日前の賃金の額を証明することができる書類
② 第三十五条各号に掲げる者又は第三十六条各号に掲げる理由により離職した者に定める書類及び第三十五条各号に掲げる者であること又は第三十六条各号に掲げる理由により離職したことを証明することができる書類
3 1の申出を行う者は、1及び2の規定にかかわらず、職業安定局長が定めるところにより、これらの規定に定める書類を添えないことができるものとすること。
4 特例高年齢被保険者を雇用する事業主は、1の規定にかかわらず、当該特例高年齢被保険者が、死亡その他のやむを得ない理由として職業安定局長が定めるものにより特例高年齢被保険者でなくなったときは、当該事実のあった日の翌日から起算して十日以内に、同項に規定する届書を提出しなければならないものとすること。
5 事業主は、1の申出を行おうとする者から当該申出を行うために必要な証明を求められたときは、速やかに証明しなければならないものとすること。
6 公共職業安定所長は、1に規定する届書の提出があった場合において、特例高年齢被保険者でなくなったことの事実がないと認めるときは、その旨を特例高年齢被保険者でなくなったことの事実がないと認められた者及び当該届書に係る事業主に通知しなければならないものとすること。
7 1に規定する届書が提出された場合の離職票の交付について、資格喪失届の提出がされた場合の離職票の交付に係る規定の準用をするものとすること。
五 特例高年齢被保険者に対する確認の通知の特例
公共職業安定所長は、労働者が特例高年齢被保険者となったこと又は特例高年齢被保険者でなくなったことの確認をしたときは、それぞれ、職業安定局長が定める様式により、その旨を当該確認に係る者及びその者を雇用し、又は雇用していた事業主に通知しなければならない。この場合において、当該確認に係る者に対する通知は、当該事業主を通じて行うことができるものとすること。
六 特例高年齢被保険者に対する転勤届の特例
1 特例高年齢被保険者は、その雇用される事業主の一の事業所から他の事業所に転勤したときは、当該事実のあった日の翌日から起算して十日以内に、転勤後の事業所の名称及び所在地並びに被保険者の氏名その他の職業安定局長が定める事項を記載した届書に労働者名簿その他の転勤の事実及びその事実のあった年月日を証明することができる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならないものとすること。
2 特例高年齢被保険者は、1の規定にかかわらず、職業安定局長が定めるところにより、1に定める書類を添えないことができるものとすること。
3 事業主は、1の規定による届出をしようとする者から当該届出をするために必要な証明を求められたときは、速やかに証明しなければならないものとすること。
七 特例高年齢被保険者に対する個人番号変更届の特例
特例高年齢被保険者は、その個人番号が変更されたときは、速やかに、個人番号変更届を管轄公共職業安定所の長に提出しなければならないものとすること。
八 特例高年齢被保険者に対する休業開始時賃金証明書の特例
1 特例高年齢被保険者は、法第六十一条の四第一項に規定する休業を開始したときは介護休業給付金支給申請書の提出をする日までに、法第六十一条の七第一項に規定する休業を開始したときは育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書の提出をする日までに、休業開始時賃金証明書に労働者名簿、賃金台帳その他の当該休業を開始した日及びその日前の賃金の額並びに雇用期間を証明することができる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならないものとすること。
2 特例高年齢被保険者は、1の規定にかかわらず、職業安定局長が定めるところにより、1に定める書類を添えないことができるものとすること。
3 公共職業安定所長は、1の規定により休業開始時賃金証明書の提出を受けたときは、当該休業開始時賃金証明書に基づいて作成した休業開始時賃金証明票を当該特例高年齢被保険者に交付しなければならないものとすること。
4 事業主は、1の規定による届出をしようとする者から当該届出をするために必要な証明を求められたときは、速やかに証明しなければならないものとすること。
九 特例高年齢被保険者に対する雇用安定事業等の特例
第四章において、特例高年齢被保険者は、別段の定めがある場合を除き、被保険者でないものとみなすものとすること。
十 特例高年齢被保険者に対する専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の特例
専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金の対象者について、高年齢被保険者から特例高年齢被保険者を除くものとすること。
十一 その他
その他所要の規定の整備を行うこと。
第二 施行期日等
一 施行期日
この省令は、令和四年一月一日から施行すること。
二 経過措置
この省令の施行に関し必要な経過措置を定めること。
(参考 雇用保険部会報告)
雇用保険部会報告の「2 マルチジョブホルダーについて」で次のとおり記載されたことを受けての改正です。
○ 平成28年部会報告においては、「マルチジョブホルダーについては、複数の職場で就労することにより雇用保険が適用される週所定労働時間20時間以上となる者のセーフティネットの必要性について議論がある中で、仮にマルチジョブホルダーについて適用を行う場合には技術的な論点、雇用保険制度そのもののあり方との関係など専門的に検討する課題があることから、専門家による検討会を設置し、検討を進めていくことが必要である」とされた。
○ 平成28年部会報告及び平成29年改正法に係る附帯決議を踏まえ、「複数の事業所で雇用される者に対する雇用保険の適用に関する検討会」(以下「検討会」という。)において、平成30年1月から12月まで、7回にわたり専門的、技術的な観点から検討が行われた。
○ 検討会の報告書では、次の点が提言された。
◼雇用保険の趣旨(自らの労働により賃金を得て生計を維持する労働者が失業した場合の生活の安定等を図る制度)や、適用により生じる事務的コスト等に照らして、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用の必要性は直ちに高いとは評価できず、マルチジョブホルダー全体を雇用保険の適用拡大によって保護するよりも、むしろ、そのうち雇用の安定化の必要性が高い者に対しては、求職者支援制度をはじめとする各種の施策を活用した支援が適当であること。
◼現状、実行可能性があるのは、本人からの申出を起点に合算方式で適用し、一時金方式で給付することとなるが、逆選択やモラルハザードが懸念されること。今後、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用を検討、推進していくならば、一定の対象層を抽出し、試行的に制度導入を図ることが考えられること。この場合、適用による行動変化や、複数事業所の労働時間を把握・通算する方法に関する検討状況を踏まえつつ、改めて制度の在り方を検討することが考えられること。
○ 当部会では、検討会による専門的、技術的見地からの整理を踏まえて議論を行った。
マルチジョブホルダー全体を雇用保険の対象とすることについては、
◼マルチジョブホルダーには収入が低い者がおり、自らの労働により生計を立てている労働者が失業した場合の生活の安定等を図る雇用保険制度の趣旨 からすれば、広く適用すべきであるという意見の一方で、
◼雇用の安定化の必要性が高い者に対しては、求職者支援制度をはじめとする各般の施策により雇用の安定化に向けた支援を行うべきであり、制度設計上の課題への様々な懸念等を踏まえれば慎重に考えるべきという意見があった。
○ 一方、定年及び継続雇用制度の期間を過ぎて就労が多様化する65歳以上の労働者については、近年、マルチジョブホルダーとしての働き方が相対的に高い割合で増加している一方で新規求職者数の伸びに比して求職者訓練及び公共 職業訓練の受講割合はむしろ 65 歳未満の年齢層よりも低下しているなど、これまでの職業人生で得られたスキルを生かして多様な就労を目指している層と考えられる。
そのため、まずは、65 歳以上の労働者を対象に、本人の申出を起点に2つの事業所の労働時間を合算して「週の所定労働時間が20 時間以上である」ことを基準として適用する制度を試行することとし、その効果等を施行後5年を目途として検証するべきである。
○ その上で、現在、65 歳以上の雇用保険被保険者は高年齢被保険者として独立の被保険者類型が設けられていることから、原則としてその給付等の在り方も現行の高年齢被保険者に合わせることとしつつ、マルチジョブホルダーの特性を踏まえて、一定の調整を行った上で制度を設計すべきである。具体的には、
◼失業時の給付については、高年齢求職者給付(一時金方式)を支給することとし、一事業所のみを離職する場合であっても、当該事業所での賃金に基づき算出して給付する。また、正当な理由のない自己都合離職の場合には、現行の高年齢求職者給付金と同様に一定期間の給付制限を行った上で給付することとするが、2つの事業所をともに離職する場合で、その離職理由が異なっていた場合には、何度も公共職業安定所への来所を求めることは受給者にとって効率的ではないことから、給付制限がかからない方に一本化して給付する。一方、両方の事業所でともに育児休業又は介護休業を取得した場合に、育児休業給付又は介護休業給付を支給することとし、その他対象となる給付については、従来の高年齢被保険者の取扱いに揃えることとする。
◼本人からの申出による合算に当たっては、適用、給付等に当たっての事業主及び行政の事務的な負担も踏まえつつ、本人及び事業所にとって必要性の高くない保険料負担の発生を回避する観点、短時間就労している一事業所での離職についても失業給付を行った場合に給付額と就業時賃金額との逆転を回避する観点から、試行に当たっては、①合算に当たって必要な基準を定める。具体的には、週の所定労働時間が5時間以上である雇用が行われている事業所を合算の対象とし、合算する事業所の数は2つとするとともに、一事業所を離職した際には、他に合算して所定労働時間が20時間以上となるような働き方をしている事業所がないか確認する、②一事業所において週20時間以上労働することを前提として設定されている現行の賃金日額の下限の適用を外す、といった措置を講ずるべきである。
○ 試行に当たっては、事業主等の事務負担に十分配慮するとともに、離職して給付を受けることが見込まれている者が申出をして適用されるといった逆選択の事象や安易な離職による循環的な受給といったモラルハザードの事象が起こる懸念に留意するべきである。その上で、試行結果について、適用による行動変化や財政的な影響等の視点から十分な検証を行った上で、必要に応じて適用対象を含めた制度の在り方について検討していくべきである。
3 雇用保険施行規則の改正概要(育児・介護休業法関係)
(1)育児休業給付に係るみなし被保険者期間
育児休業給付金の支給に当たっては、みなし被保険者期間が休業開始前2年間に12か月以上あることを要件としており、当該期間は被保険者が育児休業を開始した日を起点として算定しています。
なお、育児休業給付金では、育児休業給付の被保険者期間は、「育児休業を開始した日」を「被保険者でなくなった日」とみなして、基本手当と同様の方法で算定することとしています。
しかし、女性が育児休業をする場合、育児休業前に産前産後休業を取得していることが一般的ですが、1年程度勤務した後、産前休業を開始したようなケースにおいては、出産日に応じて、育児休業開始日が定まることから、そのタイミングによってはみなし被保険者期間の要件を満たさない場合があります。
このため、改正後の雇用保険法第61条の7第3項により、同条第2項によって計算されるみなし被保険者期間が12か月に満たない場合においては、「労働基準法第 65 条第1項の規定による休業(産前休業)を開始した日(厚生労働省令で定める理由により当該日によることが適当でないと認められる場合においては、厚生労働省令で定める日)」を起点としてみなし被保険者期間を算定することとされました。
厚生労働省令で次のとおり規定されました。
① 育児休業の申出に係る子について、産前休業を開始する日前に当該子を出生したこと
当該子を出生した日の翌日
② 育児休業の申出に係る子について、産前休業を開始する日前に当該休業に先行する母性保護のための休業をしたこと
当該先行する母性保護のための休業を開始した日
(参考)
雇用保険法施行規則
第101条の29の2 法第61条の7第3項の規定により読み替えて適用する同条第1項の労働基準法第65条第1項の規定による休業を開始した日によることが適当でないと認められるものとして厚生労働省令で定める理由及び当該理由に応じて厚生労働省令で定める日は、次の各号に掲げる理由及び当該各号に掲げる理由の区分に応じて当該各号に定める日とする。
1 育児休業の申出に係る子について、労働基準法第65条第1項の規定による休業を開始する日前に当該子を出生したこと 当該子を出生した日の翌日
2 育児休業の申出に係る子について、労働基準法第65条第1項の規定による休業を開始する日前に当該休業に先行する母性保護のための休業をしたこと 当該先行する休業を開始した日
施行期日 令和3年9月1日
これに伴い、このような事例の場合救済されることとなる。
(2)有期雇用労働者に係る育児・介護休業取得要件の緩和
有期雇用労働者については、育介法に基づく育児休業の取得要件として、
① その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者であること、
② その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者であること、
介護休業の取得要件として、
① その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者であること、
② 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了すること が明らかでない者であること、
が課されていたところですが、雇用形態にかかわらず育児・介護休業を取得しやすくするよう、無期雇用労働者と同様の取扱いとするべく、令和4年4月1日以後に開始される育児・介護休業について、①の要件を削除することとされました。
上記の改正を受け、雇用保険法施行規則においても同様に、育児休業給付金及び介護休業給付金の支給の対象となる休業について、期間を定めて雇用される者については、①の要件を削除することとされました。
(参考)
第101条の16
4号 期間を定めて雇用される者にあっては、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6箇月を経過する日までに、その労働契約(契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者であること。
以下削除
イ その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
ロ 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から六か月を経過する日までに、その労働契約(契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者
第101条の22
4号 期間を定めて雇用される者にあっては、その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者であること。
以下削除
イ その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
ロ その養育する子が1歳6か月に達する日までに、その労働契約(契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者
施行期日 令和4年4月1日