令和2年労働安全衛生調査(実態調査)

労働安全衛生法

令和2年労働安全衛生調査(実態調査)

 労働安全衛生調査は、事業所が行っている安全衛生管理、労働災害防止活動及びそこで働く労働者の仕事や職業生活における不安やストレス、受動喫煙等の実態について把握し、今後の労働安全衛生行政を推進するための基礎資料とすることを目的とするものです。
 令和2年労働安全衛生調査の概要を紹介します。

【事業所調査】

1 メンタルヘルス対策に関する事項

(1)メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者の状況

 過去1年間(令和元年 11 月1日から令和2年 10 月 31 日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は 9.2%[平成 30 年調査 10.3%]となっている。
 また、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者の割合は 0.4%[同 0.4%]、退職した労働者の割合は 0.1%[同 0.2%]となっている。
 規模別では、規模が大きいほど 1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は 高くなり、1000人以上で9割、300人以上で3分の2がメンタルヘルス不調への対応が必要となっている。


令和2 年
計  
100.0
 小計
9.2
休業
7.8
退職
3.7
(事業所規模)     
1,000 人以上100.0 90.388.964.4
500 ~  999人100.0 84.082.547.6
300 ~  499人100.0 66.963.827.4
100 ~ 299人100.0 43.839.315.3
50 ~    99人100.0 24.520.18.8
30 ~   49人100.0 8.47.23.0
10 ~   29人100.0 4.23.32.0
(産業)     
農業,林業(林業に限る。)100.0 8.17.03.9
鉱業,採石業,砂利採取業100.0 4.83.22.3
建設業100.0 7.36.63.0
製造業100.0 13.711.65.0
電気・ガス・熱供給・水道業100.0 21.621.63.9
情報通信業100.0 25.724.512.1
運輸業,郵便業100.0 8.97.81.8
卸売業,小売業100.0 5.74.52.0
金融業,保険業100.0 13.912.44.6
不動産業,物品賃貸業100.0 8.68.33.0
学術研究,専門・技術サービス業100.0 14.813.84.2
宿泊業,飲食サービス業100.0 4.14.12.3
生活関連サービス業,娯楽業100.0 5.65.23.8
教育,学習支援業100.0 11.29.63.2
医療,福祉100.0 12.19.26.1
複合サービス事業100.0 20.217.95.3
サービス業(他に分類されないもの)100.0 11.48.05.6
平成30年100.0 10.36.75.8

(2)メンタルヘルス対策への取組状況

 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は 61.4%[平成 30 年調査 59.2%]となっており、前回調査より 2.2 ポイント上昇した。規模別では、規模が大きいほど実施率が高い。

令和2 年 (事業所規模) ストレスチェック実施
[   62.7]

100.0
集団分析実施
78.6
集団分析未実施
20.7
1,000 人以上 [ 99.1]100.094.75.3
500 ~999人[ 97.7]100.088.611.4
300 ~499人[ 98.0]100.086.512.4
100 ~299人[ 95.0]100.080.319.6
50 ~99人[ 88.6]100.080.519.3
30 ~49人[ 62.4]100.077.622.0
10 ~29人[ 52.7]100.077.321.6
( 再掲) 50 人以上[ 91.5]100.081.118.6 
平成30年[ 62.9]100.073.324.9 

(3)ストレスチェック結果の活用状況

 ストレスチェックを実施した事業所のうち、結果の集団(部、課など)ごとの分析を実施した事業所の割合は78.6%[平成 30 年調査 73.3%]であり、その分析結果を活用した事業所の割合は 79.6%[同 80.3%]となっている。

2   化学物質のばく露防止対策に関する事項

(1)化学物質を取り扱う際のリスクアセスメントの実施状況

 化学物質を取り扱っている(製造、譲渡・提供、使用)事業所の割合は13.2%となっている。
 労働安全衛生法第 57 条の2に該当する化学物質を使用している事業所のうち、リスクアセスメントをすべて実施している事業所の割合は 68.5%、同条の事業所には該当しないが、危険有害性がある化学物質(労働安全衛生法第 28 条の2第1項の規定に基づいてリスクアセスメントを行うことが努力義務とされている化学物質)を使用している事業所のうち、リスクアセスメントをすべて実施している事業所の割合は 57.1%となっている。

(2)化学物質を製造又は譲渡・提供する際の容器・包装へのGHSラベルの表示状況

 化学物質を製造又は譲渡・提供している事業所の割合は 2.4%となっている。
 労働安全衛生法第 57 条に該当する化学物質を製造又は譲渡・提供している事業所のうち、すべての製品の容器・包装にGHSラベルを表示している事業所の割合は 62.4%、同条の事業所には該当しないが、危険有害性がある化学物質(労働安全衛生規則第 24 条の 14 で譲渡・提供者に危険有害性の表示が努力義務とされている化学物質)を製造又は譲渡・提供している事業所のうち、すべての製品の容器・包装にGHSラベルを表示してい る事業所の割合は 53.6%となっている。

(3)   化学物質を製造又は譲渡・提供する際の安全データシート(SDS)の交付状況

 労働安全衛生法第 57 条の2に該当する化学物質を製造又は譲渡・提供している事業所のうち、すべての製品に安全データシート(SDS)を交付している事業所の割合は 71.5%、同条の事業所には該当しないが、危険有害性がある化学物質(労働安全衛生規則第 24 条の 15 で譲渡・提供者に危険有害性の通知が努力義務とされている化学物質)を製造又は譲渡・提供している事業所のうち、すべての製品に安全データシート(SDS)を交付し ている事業所の割合は 62.2%となっている。

3 受動喫煙防止対策に関する事項

 事業所における禁煙・分煙状況について、屋外を含めた敷地内全体を全面禁煙にしている事業所の割合は30.0%[平成 30 年調査 13.7%]となっている。
 屋外を含めた敷地内全体を全面禁煙にしていない事業所について、受動喫煙を防止するための取組を進めている事業所の割合は 54.1%となっている。
 このうち、取組内容(複数回答)をみると、「受動喫煙を望まない者が加熱式たばこ喫煙専用室での業務や飲食を避けるよう配慮している」が 27.2%、次いで「20 歳以上の労働者に対する措置」のうち「業務用車両内での喫煙時における周知啓発」が 27.0%となっている。

4 長時間労働者に対する取組に関する事項

 令和2年7月1日が含まれる1か月間の時間外・休日労働時間数が 45 時間超 80 時間以下の労働者がいた事業所の割合は 16.3%[平成 30 年調査 25.0%]、80 時間超の労働者がいた事業所の割合は 2.5%[同 7.0%] となっている。
 これらの長時間労働者がいた事業所のうち、面接指導の申し出があった長時間労働者に対する医師による面接指導の実施状況をみると、面接を実施した事業所の割合は、45 時間超 80 時間以下の労働者がいた事業所 は 78.9%、80 時間超の労働者がいた事業所は 95.4%となっている。なお、規模別では、規模が大きいほど長時間労働を行っている。

<45時間超80時間以下>  
令和2 年100.016.3
(事業所規模)  
1,000 人以上100.086.0
500 ~           999人100.069.7
300 ~           499人100.053.9
100 ~           299人100.041.1
50 ~           99人100.027.2
30 ~           49人100.016.1
10 ~           29人100.012.7
平成30年100.025.0

5 高年齢労働者・外国人労働者に対する労働災害防止対策に関する事項

(1)高年齢労働者に対する労働災害防止対策の状況

 60 歳以上の高年齢労働者が従事している事業所の割合は 74.6%となっており、このうち高年齢労働者に対する労働災害防止対策に取り組んでいる事業所の割合は 81.4%となっている。
 取組内容(複数回答)別にみると、「本人の身体機能、体力等に応じ、従事する業務、就業場所等を変更」が45.7%、「作業前に体調不良等の異常がないかを確認」が 38.7%となっている。

(2)    外国人労働者に対する労働災害防止対策の状況

 外国人労働者が従事している事業所の割合は 14.4%となっており、このうち外国人労働者に対する労働災害防止対策に取り組んでいる事業所の割合は 89.8%となっている。
 取組内容(複数回答)別にみると、「定期的に必要な健康診断を受診させている」が62.3%、「外国人労働者にわかる言語で説明するなど、作業手順を理解させている」が 49.8%となっている。

【個人調査】

1 仕事や職業生活における不安やストレスに関する事項

(1)仕事や職業生活に関するストレス

 現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレス(以下「ストレス」という。)となっていると感じ る事柄がある労働者の割合は 54.2%[平成 30 年調査 58.0%]となっている。
 ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者について、その内容(主なもの3つ以内)をみると、「仕事の  量」が 42.5%と最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が 35.0%、「仕事の質」が 30.9%となっている。

(2) 仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスについて相談できる人の有無等

 現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて相談できる人がいる労働者の割合は 90.8%[平成 30 年調査 92.8%]となっている。ストレスを相談できる人がいる労働者について、相談できる相手(複数回答)をみると、「家族・友人」が  78.5% [同 79.6%]と最も多く、次いで「上司・同僚」が 73.8% [同 77.5%]となっている。
 これを男女別にみると「家族・友人が」男性 74.2%、女性 83.6%、「上司・同僚」が男性 79.6%、女性 66.9%となっている。
 また、ストレスについて相談できる相手がいる労働者のうち、実際に相談した労働者の割合は 74.1%[同80.4%]となっており、相談した相手(複数回答)をみると、「家族・友人」が 73.5%[同 76.3%]と最も多く、次いで「上司・同僚」が 67.6%[同 69.7%]となっている。
 これを男女別にみると「家族・友人が」男性 66.8%、女性 81.0%、「上司・同僚」が男性 74.0%、女性 60.5%となっている。

2 喫煙に関する事項

 職場で受動喫煙がある労働者の割合は、「ほとんど毎日ある」7.6%[平成 30 年調査 9.3%]、「ときどきある」12.5%[同 19.6%]を合わせて 20.1%[同 28.9%]となっている。
 このうち、職場の受動喫煙に関して、「不快に感じること、体調が悪くなることがある」とする労働者の割合 は 39.2%[同 43.2%]となっている。

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