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労働基準法

 時間外・休日労働と割増賃金などについて解説しています。なお、働き方改革関連法により36協定の記載事項が大幅に改正されています。

  1. 労働時間
  2. 休憩
  3. 休日
    1. 休日の振替
    2. 代休
    3. 変形労働時間
  4. 時間外・休日労働
    1. 働き方改革関連法による改正事項
    2. 36協定の締結
    3. 作成支援ツール(36協定届、1年単位の変形労働時間制に関する書面)
    4. 周知
    5. 届出様式
    6. 適用が除外または猶予されている事業・業務
  5. 罰条の適用 
  6. 割増賃金
  7. 労働条件明示
    1. 雇い入れ時の労働条件の明示
    2. 労働条件通知書の交付
      1. 労働条件については、労働条件通知書などの書面の交付が必要
      2. パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者には追加の明示事項が必要
    3. 求人の場合の労働条件の明示
  8. 労働条件の相違がある場合
    1. 参考
      1. セミナーの目的・内容
      2. 動画の目的・用途
      3. 動画のご紹介
  9. 就業規則
  10. 就業規則の内容
  11. 就業規則の作成及び変更の手続
  12. モデル就業規則 (令和3年4月)
  13. 就業規則の周知
  14. 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
  15. 1 支給対象となる事業主
  16. 2 支給条件
    1. (1)支給のための取組
    2. (2)成果目標の設定
    3. (3)賃金引き上げ加算
  17. 3 事業実施期間
  18. 4 支給額
  19. 5 締め切り
  20. アイデアソン(トラック運転者の長時間労働改善に向けて運送事業者や荷主企業が抱えている物流課題テーマを募集)
  21. トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト
    1. 「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 加工食品、飲料・酒物流編」策定
  22. 「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果
    1. 1 重点結果の実施の背景、是正指導方針
    2. 2 是正勧告書交付状況(法違反の状況)
      1. (1) 何らかの労働基準法違反
        1. ① 全体
        2. ② 業種別
        3. ③ 監督対象事業場
      2. (2) 違法な時間外労働の内訳
    3. 3 指導票交付状況(主に健康障害防止)
    4. 4 労働時間把握の方法
  23. 1 働き方改革特設サイト
  24. 2 働き方・休み方改善ポータルサイト
  25. 3 各種リーフレット
  26. 第1回 ハイヤー・タクシー作業部会 2021年5月28日(令和3年5月28日)
  27. 第1回 バス作業部会 2021年5月12日(令和3年5月12日)
  28. 第1回 トラック作業部会 2021年4月30日(令和3年4月30日)
  29. 今後のスケジュール(案)
    1. 令和3年度
    2. 令和4年度
    3. 令和5年度
    4. 令和6年度
  30. Ⅰ 民法改正
  31. Ⅱ 労働基準法改正
    1. 結論
      1. ① 賃金請求権の消滅時効は2年から3年に延長
      2. ② 付加金の請求期間は2年から3年に延長
      3. ③ それ以外は現行維持
  32. Ⅲ 改正の概要
    1. 第1 消滅時効の延長
      1. ① 賃金請求権の消滅時効の延長(2年から3年に延長)
      2. ② 賃金請求権以外の消滅時効(現行維持)
    2. 第2 付加金の請求期間の延長(2年から3年に延長)
    3. 第3 記録の保存期間の延長(現行と同様に3年)
    4. 第4 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化
  33. Ⅳ 改正内容
    1. 第1 賃金請求権の消滅時効の延長
      1. 1 賃金(退職手当を除く。)の請求権(2年から3年に延長)
      2. 2 災害補償の請求権(現行維持:2年)
      3. 3 その他の請求権(現行維持:2年)
      4. 4 退職手当(現行維持:5年)
    2. 第2 付加金の請求期間の延長(2年から3年に延長)
    3. 第3 労働者名簿等の記録の保存期間の延長(従前と同様に3年)
    4. 第4 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化
  34. Ⅴ 法令・省令の改正内容
    1. 第1 賃金請求権の消滅時効の延長
      1. 【労働基準法】
    2. 第2 付加金の請求期間の延長
      1. 【労働基準法】
    3. 第3 記録の保存期間の延長
      1. 【労働基準法】
      2. 【労働基準法施行規則】
  35. Ⅵ まとめ(改正労働基準法の内容)
    1. 第1 賃金請求権の消滅時効の延長
    2. 第2 付加金の請求期間の延長
    3. 第3 労働者名簿等の記録の保存期間の延長
    4. 第4 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化
    5. 第5 経過措置
  36. Ⅶ 改正労働基準法等に関するQ&A
  37. 令和3年度地域別最低賃金改定状況
  38. 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申
  39. 令和3年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解(令和3年7月 14 日)
    1. 1    令和3年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、次の表に掲げる金額とする。
    2. 2(1)目安小委員会は、今年度の目安審議に当たって、平成 29 年全員協議会報告の3(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、特に地方最低賃金審議会における自主性発揮が確保できるよう整備充実や取捨選択を行った資料を基にするとともに、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」及び「成長戦略実行計画・成長戦略フォローアップ」に配意した調査審議が求められたことについて特段の配慮をした上で、総合的な審議を行ってきた。
    3. (2)生活保護水準と最低賃金との比較では、昨年度に引き続き乖離が生じていないことが確認された。
    4. (3)最低賃金引上げの影響については、平成 29 年全員協議会報告の3(2)及び4(3)に基づき、引き続き、影響率や雇用者数等を注視しつつ、慎重に検討していくことが必要である。
  40. 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(令和3年7月 14 日)
    1. 1 はじめに
    2. 2  労働者側見解
    3. 3 使用者側見解
    4. 4 意見の不一致
    5. 5 公益委員見解及びその取扱い
  41. 脳・心臓疾患の労災認定基準を改正
  42. 脳・心臓疾患の労災補償について
  43. リーフレット
  44. 関係通達
  45. 令和3年9月14日付け基発0914第1号付「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」
  46. 「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表
  47. 報告書のポイント
    1. ■業務の過重性の評価について「長期間にわたる疲労の蓄積」と「発症に近接した時期の急性の負荷」が発症に影響を及ぼすとする現行基準の考え方は妥当
    2. ■「長期間にわたる疲労の蓄積」(「長期間の過重業務」)について、現行基準に加えて
      1. ・労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められ、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを明示
      2. ・労働時間以外の負荷要因として、「休日のない連続勤務」、「勤務間インターバルが短い勤務」及び「身体的負荷を伴う業務」を新たに規定し、他の負荷要因も整理
    3. ■「発症に近接した時期の急性の負荷」(「異常な出来事」と「短期間の過重業務」)について
      1. ・業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
    4. ■認定基準の対象疾病に、「重篤な心不全」を追加
    5.  令和3年7月20日に 労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令が改正され、労災保険の特別加入制度について、その対象に 原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業 及び 情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業 が追加されました。労災保険料率は、 1000分の3 とされました。公布は、令和3年7月20日で施行は、令和3年9月1日からです。
  48. 労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令の概要
    1. 1 改正の趣旨
    2. 2 改正の内容
    3. 3 根拠条文・労災保険法
    4. 4 施行期日等
  49. 原則となる付与 日数
  50. パートタイム労働者など所定労働日数が少ない労働者に対する付与日数
  51. 年次有給休暇の取得時季
    1. 時季変更権
  52. 年次有給休暇の繰越し
  53. 不利益取扱の禁止
  54. 年次有給休暇の計画的付与
  55. 半日単位の年次有給休暇
  56. 時間単位の年次有給休暇
  57. 使用者の時季指定の年次有給休暇

労働時間

 労働時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を除いた時間をいいます。
 労働時間は、休憩時間を除いて、週40時間、1日8時間を超えて労働させていけません。
 なお、 特例事業場(労働者数10人未満の①商業、②映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、③保険衛生業、④接客娯楽業)では、週44時間、 1日8時間を超えて労働させていけません。

労働基準法
(労働時間)
第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法施行規則
第二十五条の二 使用者は、法別表第一第八号、第十号(映画の製作の事業を除く。)、第十三号及び第十四号に掲げる事業のうち常時十人未満の労働者を使用するものについては、法第三十二条の規定にかかわらず、一週間について四十四時間、一日について八時間まで労働させることができる。

別表第一(第三十三条、第四十条、第四十一条、第五十六条、第六十一条関係)
 物の製造、改造、加工、修理、洗浄、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む。)
 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業
 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業
 ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業
 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業
 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業
 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業
 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業
十一 郵便、信書便又は電気通信の事業
十二 教育、研究又は調査の事業
十三 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
十四 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業

十五 焼却、清掃又はと畜場の事業

休憩

 休憩時間は、 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合には1時間時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければなりません。
 なお、休憩時間は、一斉に与えなければなりませんが、労使協定を締結(一斉休暇適用除外の業種は労使協定は不要)により一斉に与える必要はありません。

労働基準法
(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

 一斉休憩の適用除外の業種は、①運輸交通業、②商業、③金融・広告業、④映画・演劇業、⑤通信業、保険衛生業、⑥接客娯楽業、⑦官公署です。

労働基準法
(労働時間及び休憩の特例)
第四十条 別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第三十二条から第三十二条の五までの労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。
② 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであつて、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。
労働基準法施行規則
第三十一条 法別表第一第四号、第八号、第九号、第十号、第十一号、第十三号及び第十四号に掲げる事業並びに官公署の事業(同表に掲げる事業を除く。)については、法第三十四条第二項の規定は、適用しない。

休日

 休日は毎週少なくとも1日、又は、4週間に4日以上を与えなければなりません。

(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

参考

① 休日とは、労働契約で労働義務がないとされている日のことをいいます。
② 何曜日を休日と定めても、また、週によって休日の曜日が異なる定めをしても労基法上は問題ありません。
③ 休日は、原則として午前0時から午後12時までの継続24時間の暦日で与えなければなりません。(昭和23年4月5日基発535号、昭和23年11月9日基発2968号)
④ 1日のうち一部でも仕事をさせれば、たとえ1時間くらいの短い時間であったとしても、その日は休日を与えたことにはなりません(休日としていた日であれば、休日労働をさせたことになります。)。

休日の振替

 「休日の振替」とは、予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを言います。これにより、予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。従って、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。

 但し、次のとおりの要件が必要です。
① 就業規則等において休日を振り替えることができる旨の規定を設けること。 (昭和23年4月19日基収1397号、昭和63年3月14日基発150号)
② 休日を振り替える前にあらかじめ振り替えるべき日を特定すること。(昭和23年4月19日基収1397号、昭和63年3月14日基発150号)
③ 起算日から4週4日の休日が確保されていること。(昭和23年9月20日基発1384号)
④ 休日の振替が週をまたがった場合に週の法定労働時間を超えときには、時間外の割増賃金を支払う必要があること。(昭和22年11月27日基発401号、昭和63年3月14日基発150号)
(参考)
 就業規則等においてできる限り、休日振替の具体的事由と振替日を規定すことが望ましく、また、振替日はできる限り近接していることが望ましい。(昭和23年7月5日基発968号、昭和63年3月14日基発150号)

代休

 いわゆる「代休」とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものであって、前もって休日を振り替えたことにはなりません。従って、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります

変形労働時間

 1箇月単位(労基法32の2)や1年単位(労基法32の4)などの変形労働時間制があります。
1箇月単位は就業規則に規定するか労使協定により、1年単位は労使協定により、一定の期間の所定労働時間を平均して週40時間(特例事業場では1箇月単位の変形労働時間の場合は44時間)を超えない定めをすれば、あらかじめ特定した週、日について法定労働時間を超える所定労働時間とすることができるものです。
 特定された週や日の時間を使用者が自由に変更できません。労使協定はいずれも所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

時間外・休日労働

 時間外または法定休日に働かせる場合には、あらかじめ過半数を組織する労働組合がある場合にはその労働組合との間又は労働者の過半数代表者に、「時間外労働・休日労働に関する協定」を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。
 この協定は労基法第36条に規定されていることから、「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。

働き方改革関連法による改正事項

 これまで36協定の限度基準は、告示で定めれていましたが、次のとおり働き方改革関連法により労働基準法、労働基準法施行規則が改正され、また、告示が指針となりました。
 なお、主な改正内容は、時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定された。

36協定記載事項の主な改正点
 36協定記載事項の主な改正点は次のとおりです。
1 労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされた労働者の範囲
「業務の種類」及び「労働者の数」を協定するもの
  改正前  規則で「業務の種類」「労働者の数」と規定
  改正後  法で「労働者の範囲」と規定
2 対象期間
  時間外・休日労働協定は1年間の上限(「1年に限る」と規定)
  期間が1年未満でも対象期間は1年間とする必要有
3 労働時間を延長し、又は休日労働させることができる場合
  具体的事由について協定するもの
  改正前  規則に規定
  改正後  法では表現変更(具体的事由の記載無、場合と記載)
4 対象期間における1日、1箇月及び1年の労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
  1日、1箇月及び1年の延長労働時間数又は休日労働日数の記載が必要
  改正前  1日を超える期間
  改正後  1箇月及び1年の期間が必要
 【限度時間】(原則)
  1か月45時間(1年単位の変形労働時間の場合42時間)以下
  1年 360時間(1年単位の変形労働時間の場合320時間)以下
  所定労働時間を超える時間数、所定休日の記載欄追加(任意)
5 労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
① 時間外・休日労働協定の有効期間の定め
② 1年について労働時間を延長して労働させることができる起算日
  起算日の記載が必要
  記載例に「協定の有効期間にかかわらず、同一である必要がある。」と記載
  (意味)期間中に協定の改定があっても起算日は変更しない旨の規定
③ 要件(1箇月100時間未満、平均80時間以下)を満たすこと
  1か月 100時間未満(休日労働を含む)
  2、3、4、5、6か月平均80時間以下(休日労働を含む)
  チェックボックス欄にチャック必要(チェックがない場合は無効)    
④ 限度時間を超えて労働させることができる場合
  特別条項を設ける場合に具体的事由を協定するもの
【特例条項】
 通常予見することができない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要な場合
  1年720時間以下、限度時間超え年について6箇月以内(年6回) 
 ● その他
  ・ 労働保険番号及び法人番号の記載追加
  ・ 連続する月の月末・月初に集中して長時間の時間外を行うことは好ましくない旨通達で記載 
  ・ 自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合について通達で記載
     使用者が労働者の他社での労働時間も適正に把握する責務有
    「副業・兼業の促進に関するガイドライン」による管理必要
⑤ 限度時間を超えて労働させる場合の健康及び福祉を確保するための措置
     労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置の記載が必要
     (指針第8条に規定、記載心得記載の措置の番号の記載が必要)

1 労働時間が一定時間を超えた労働者に医師による面接指導を実施すること。
2 法第37条第4項に規定する時刻の間において労働させる回数を1箇月について一定回数以内とすること。
3 終業から始業までに一定時間以上の継続した休息時間を確保すること。
4 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること。
5 労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、健康診断を実施すること。
6 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること。
7 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。
8 労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。
9 必要に応じて、産業医等による助言・指導を受け、又は労働者に産業医等による保健指導を受けさせること
 健康福祉確保措置の実施状況の記録が必要(3年間の保存も必要)
⑥ 限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率
  1か月及び1年について割増賃金率の記載が必要(就業規則にも記載が必要)
⑦ 限度基準を超えて労働させる場合の手続き
  所定の手続を定め、その手続を経ることなく、労働させた場合は法違反  

(時間外及び休日の労働)
第三十六条 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。

 改正前は、労働基準法、労働基準法施行規則、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準で規定されていましたが、改正後は、 労働基準法、労働基準法施行規則、 労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針でそれぞれに必要な記載事項が規定されるようになりました。以下のとおり整理しましたので、参考にしてください。

36協定の締結

 使用者は、時間外労働・休日労働を行わせるためには、労働者の過半数を組織する労働組合又は労働者の過半数を代表する者との間で、書面により36協定を締結しなければなりません。
 なお、36協定の記載事項は、改正内容を踏まえ記載してください。なお、チェックボックスのチェックを忘れると受付てもらえません。(参考:36記載例記載例、特別条項の記載例)

36協定締結の際の過半数代表者の選出手続き

 事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)を選出し、労働者側の締結当事者とする必要がありますが、過半数代表者になることができる労働者の要件と、正しい選出手続きは、下記のポイントのとおりです。過半数代表者の選出が適正に行われていない場合、36協定を締結し、労働基準監督署長に届け出ても無効となります。

 押印の廃止に伴い、36協定の協定当事者に関する次の2つのチェックボックスの新設されました。チェック無い場合受付できません。
① 上記協定の当事者である労働組合が事業場のすべての過半数で組織する労働組合である又は上記協定の当事者である労働者の過半数を代表する者が事業場のすべての労働者の過半数を代表者であること
 ▢要チェック
② 上記労働者の過半数を代表する者が、労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でなく、かつ、同法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であって使用者の意向に基づき選出されたものでないこと
 ▢要チェック

 過半数代表者となることができる労働者の要件は、労基法41条2号に規定する管理監督者でないことです。
 管理監督者とは、一般的には部長、工場長など、労働条件の決定その他労務管理について経者と一体的な立場にある人を指します。 過半数代表者の選出に当たっては、管理監督者に該当する可能性のある人は避けた方がよいでしょう。
 過半数代表者を選出するための正しい手続きは、36協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにしたうえで、投票、挙手などにより選出することです。
 選出手続きは、投票、挙手の他に、労働者の話し合いや持ち回り決議などでも構いませんが、労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きがとられていることが必要です。また、選出に当たっては、パートやアルバイトなどを含めたすべての労働者が手続きに参加できるようにしましょう。
 会社の代表者が特定の労働者を指名するなど、使用者の意向によって過半数代表者が選出された場合その36協定は無効です。
 社員親睦会の幹事などを自動的に過半数代表者にした場合、その人は36協定を締結するために選出されたわけではありませんので、協定は無効です。この場合は、改めて36協定の締結当事者となることの信任を得ることが必要です。

36協定の記載例

特例条項の記載例

作成支援ツール(36協定届、1年単位の変形労働時間制に関する書面)

  • 入力フォームから必要項目を入力・印刷することで、労働基準監督署に届出が可能な次の4種類の書面を作成することができます。
    36協定届及び1年単位の変形労働時間制に関する書面の作成は、パソコン環境にてお願いします。
    • 〇時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)
    • 〇1年単位の変形労働時間制に関する書面
      協定届、労使協定書、労働日等を定めたカレンダー
  • WEB診断に登録されているユーザーは、メールアドレスとパスワードを入力し、ログインしてください。初めて利用する方は、会員登録をして支援ツールを利用するか、ゲストで作成(登録しないで作成)するかを選ぶことができます。
  • 登録ユーザーは、36協定届、1年単位の変形労働時間制に関する書面の入力データを保存し、過去に登録したデータを呼び出して書き換えることができます。

第9号、第9号の2、第9号の3、第9号の4それぞれの様式を基にした画面表示に変更され、入力場所を確認しながら入力することで、直感的に36協定届を作成することができます。

時間外労働の上限について

労働基準法が改正され、2019年4月(中小企業は2020年4月)から時間外労働のルールが大きく変わりました。
新しいルールと、新しい様式になった36協定届の記入方法についての解説動画をご覧ください。

36協定届の様式はこちら!

ご利用上の注意

必ずご一読ください

  • ・2021年4月1日より、36協定届等が新しくなり、使用者の押印及び署名が不要となります。
  • ・労働者代表と使用者の合意のうえ締結された労使協定の内容を作成支援ツールに入力していただき、所轄労働基準監督署に届け出てください。
  • ・過去に中小企業の方が作成された、協定の有効期間の始期が2020年3月31日以前の旧様式の36協定をご覧になりたい場合は、「(旧様式閲覧用)中小企業の方作成支援ツール」をご確認ください。
  • ・本ツールの仕様上、過去に「中小企業の方作成支援ツール」で作成されたデータを「作成支援ツール」に用いることはできず、閲覧のみとなります。
  • ※中小企業の内、2024年3月31日まで上限規制が適用猶予される事業場・労働者(建設業、鹿児島・沖縄の砂糖製造業、自動車運転者、医療に従事する医師)の方は、こちらをご覧ください。
  • ※時間外労働の上限については、こちらを参照ください。
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36協定届・1年単位の変形労働時間制に関する書面 中小企業の方 作成支援ツールご利用の流れ

周知

 時間外労働・休日労働協定については、就業規則やその他各種の労使協定と同様に、常時各作業場の見やすい場所への備え付け、書面を交付する等の方法により、労働者に周知する必要があります(労働基準法第106条)。

届出様式

 次のとおり、改正前の様式は4つでしたが、改正後は7つあります。様式を間違いのないように選択してください。
様式第9号 限度時間内で時間外・休日労働を行わせる場合
様式第9号の2 特別条項付
様式第9号の3 新技術・商品等の研究開発業務
様式第9号の4 適用猶予事業(建設、自動車運転、医師、鹿児島県及び沖縄の砂糖製造)
様式第9号の5 事業外労働に関する協定の内容を付記して届け出る場合
様式第9号の6 労使委員会の決議届として届け出る場合
様式第9号の7 労働時間等設定改善委員会の決議届 として届け出る場合

適用が除外または猶予されている事業・業務

 改正前は、次のとおり通達で限度基準の適用除外が定められていました。

 改正後は、上記の赤字に医師を加えて、適用が除外または猶予されている事業・業務が労働基準法で規定されました。
適用猶予
1 建設事業
2 自動車運転の業務
3 医師
4 鹿児島県及び沖縄県の砂糖製造業
適用除外
1 新技術・新商品等の研究開発業務

 労働基準法では、次のとおり規定されています。

罰条の適用 

 罰則の適用は、次のとおり規定されています。なお、医師のみ労働基準法第141条第5項違反となりますが、全て6箇月以懲役懲役又は30万以下の罰金です。

割増賃金

 時間外、深夜(午前10時から午後5時)及び法定休日に労働させた場合は、次の割増率以上の割増賃金を支払わなければなりません。
 時間外労働  2割5分以上
 深夜労働   2割5分以上
 法定休日労働 3割5分以上

なお、時間外労働が1箇月60時間を超えた場合は、5割以上の割増賃金を支払わなければなりません。

労働基準法
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
② 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
③ 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。
④ 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
⑤ 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

 中小企業の場合は、60時間以上の割増賃金の支払いは、令和5年3月31日まで適用が猶予されています。根拠は、改正前の労働基準法第138条が削除され、働き方改革関連法附則第1条関係で規定されています。

 労働条件明示について解説しています。

労働条件明示

雇い入れ時の労働条件の明示

 法律によって、会社は、求職者や労働者に対して、働くときの条件を明示することが義務付けられています。すなわち、会社は、募集をするときは募集条件、採用するときには労働条件を明示しなければならないことになっています。しかも、重要な事項は、書面で示さなければならないことになっています。
 まず、労働基準法では、労働条件の明示は、次のとおり規定されています。

労働基準法

(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

第五条 使用者が法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、第一号の二に掲げる事項については期間の定めのある労働契約であって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限り、第四号の二から第十一号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
一 労働契約の期間に関する事項
一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
七 安全及び衛生に関する事項
八 職業訓練に関する事項
九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
十 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項

② 使用者は、法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならない。
③ 法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める事項は、第一項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
④ 法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。ただし、当該労働者が同項に規定する事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを希望した場合には、当該方法とすることができる。
一 ファクシミリを利用してする送信の方法
二 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下この号において「電子メール等」という。)の送信の方法(当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

第八条 法第二十四条第二項但書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
一 一箇月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当
二 一箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
三 一箇月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給又は能率手当

労働条件通知書の交付

労働条件については、労働条件通知書などの書面の交付が必要

 労働契約は口頭でも成立しますが、できる限り書面で確認することが必要です。労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにすることとされており、さらに、労働者及び使用者は、労働契約の内容については、できる限り書面により確認することとされています(労契法第4条)。
 労働者を雇用する場合、事業主は、労働者に対して、次のとおり、労働条件については明示しなければならないこととされています(労働基準法第15条)。
 特に、労働時間、賃金など重要な労働条件については、書面によって知らせることとされています。実際には、労働条件通知書の交付のような形で示されることが多いです。
 なお、この書面による明示の方法については、労働者の希望がある場合には、① ファクシミリ、②電子メールやWebメールサービス、③LINEやメッセンジャー等のSNSメッセージ機能等の方法によることが認められています。ただし、労働者がその電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものでなければならないことになっています(労働基準法施行規則第5条)。

明示しなければならない労働条件

必ず明示しなければならない事項(絶対的明示事項)
 次の①から⑥までは、必ず明示しなければならない事項です。そして、これらの事項は必ず書面にして示す必要があります(なお、⑤の「昇給に関する事項」は書面によらなくてもよいことになっています)。
①労働契約の期間に関する事項
②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
⑤賃金(退職手当及び⑧の臨時に支払われる賃金を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

定めがある場合には明示しなければならない事項(相対的明示事項)
 以下の⑦から⑭までは、会社においてその定めがなされている場合には明示されなければならない事項です。
⑦退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
⑧臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与及び労働基準法施行規則第八条各号に掲げる賃金 (精勤手当、勤続手当、奨励加給又は能率手当) 並びに最低賃金額に関する事項
⑨労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
⑩安全及び衛生に関する事項
⑪職業訓練に関する事項
⑫災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑬表彰及び制裁に関する事項
⑭休職に関する事項

労働者の希望がある場合の方法
① ファクシミリ
②電子メールやWebメールサービス
③LINEやメッセンジャー等のSNSメッセージ機能等の方法によることが認められています。
 ただし、労働者がその電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものでなければならないことになっています 。

リーフレット(FAX、メール等での明示)

平成31年4月から、労働条件の明示がFAX・メール・SNS等でもできるようになります

平成31年4月から、 FAX・メール・SNS等での労働条件の確認ができるようになります

義業主の皆様へ 労働者の皆様へ

パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者には追加の明示事項が必要

 次に、パートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法では、 労働条件の明示は、次のとおり規定されています。

短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律

(労働条件に関する文書の交付等)
第六条 事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間・有期雇用労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(次項及び第十四条第一項において「特定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により明示しなければならない。
2 事業主は、前項の規定に基づき特定事項を明示するときは、労働条件に関する事項のうち特定事項及び労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものについても、文書の交付等により明示するように努めるものとする。

(法第六条第一項の明示事項及び明示の方法)
第二条 法第六条第一項の厚生労働省令で定める短時間・有期雇用労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項は、次に掲げるものとする。
一 昇給の有無
二 退職手当の有無
三 賞与の有無
四 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口
2 事業主は、法第六条第一項の規定により短時間・有期雇用労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならない。
3 法第六条第一項の厚生労働省令で定める方法は、第一項各号に掲げる事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを当該短時間・有期雇用労働者が希望した場合における当該方法とする。
一 ファクシミリを利用してする送信の方法
二 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下この号において「電子メール等」という。)の送信の方法(当該短時間・有期雇用労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
4 前項第一号の方法により行われた法第六条第一項に規定する特定事項(以下この項において「特定事項」という。)の明示は、当該短時間・有期雇用労働者の使用に係るファクシミリ装置により受信した時に、前項第二号の方法により行われた特定事項の明示は、当該短時間・有期雇用労働者の使用に係る通信端末機器等により受信した時に、それぞれ当該短時間・有期雇用労働者に到達したものとみなす。

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

(待遇に関する事項等の説明)
第三十一条の二 派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。
2 派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により、第一号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
一 労働条件に関する事項のうち、労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであつて厚生労働省令で定めるもの
二 第三十条の三、第三十条の四第一項及び第三十条の五の規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項及び前号に掲げる事項を除く。)に関し講ずることとしている措置の内容
3 派遣元事業主は、労働者派遣(第三十条の四第一項の協定に係るものを除く。)をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、文書の交付等により、第一号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
一 労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項及び前項第一号に掲げる事項(厚生労働省令で定めるものを除く。)
二 前項第二号に掲げる措置の内容
4 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から求めがあつたときは、当該派遣労働者に対し、当該派遣労働者と第二十六条第八項に規定する比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに第三十条の三から第三十条の六までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たつて考慮した事項を説明しなければならない。
5 派遣元事業主は、派遣労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(待遇に関する事項等の説明)
第二十五条の十四 法第三十一条の二第一項の規定による説明は、書面の交付等その他の適切な方法により行わなければならない。ただし、次項第一号に規定する労働者の賃金の額の見込みに関する事項の説明は、書面の交付等の方法により行わなければならない。
2 法第三十一条の二第一項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込み、健康保険法(大正十一年法律第七十号)に規定する被保険者の資格の取得、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)に規定する被保険者の資格の取得及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)に規定する被保険者となることに関する事項その他の当該労働者の待遇に関する事項
二 事業運営に関する事項
三 労働者派遣に関する制度の概要
四 法第三十条の二第一項の規定による教育訓練及び同条第二項の規定による援助の内容

第二十五条の十五 法第三十一条の二第二項の厚生労働省令で定める方法は、次条各号に掲げる事項が明らかとなる次のいずれかの方法によることを当該派遣労働者が希望した場合における当該方法とする。
一 ファクシミリを利用してする送信の方法
二 電子メール等の送信の方法

第二十五条の十六 法第三十一条の二第二項第一号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 昇給の有無
二 退職手当の有無
三 賞与の有無
四 協定対象派遣労働者であるか否か(協定対象派遣労働者である場合には、当該協定の有効期間の終期)
五 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項

第二十五条の十七 派遣元事業主は、法第三十一条の二第二項の規定により派遣労働者に対して明示しなければならない同項第一号に掲げる事項を事実と異なるものとしてはならない。

第二十五条の十八 法第三十一条の二第二項(第二号に係る部分に限る。)及び第三項(第二号に係る部分に限る。)の規定による説明は、書面の活用その他の適切な方法により行わなければならない。

第二十五条の十九 労働者派遣の実施について緊急の必要があるためあらかじめ法第三十一条の二第三項に規定する文書の交付等により同項(第一号に係る部分に限る。)の明示を行うことができないときは、当該文書の交付等以外の方法によることができる。
2 前項の場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、当該労働者派遣の開始の後遅滞なく、法第三十一条の二第三項(第一号に係る部分に限る。)の規定により明示すべき事項を同項に規定する文書の交付等により当該派遣労働者に明示しなければならない。
一 当該派遣労働者から請求があつたとき。
二 前号以外の場合であつて、当該労働者派遣の期間が一週間を超えるとき。

第二十五条の二十 法第三十一条の二第三項第一号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 労働契約の期間に関する事項
二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
四 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
五 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
六 派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項

(就業条件の明示の方法等)
第二十六条 法第三十四条第一項及び第二項の規定による明示は、当該規定により明示すべき事項を次のいずれかの方法により明示することにより行わなければならない。ただし、同条第一項の規定による明示にあつては、労働者派遣の実施について緊急の必要があるためあらかじめこれらの方法によることができない場合において、当該明示すべき事項をあらかじめこれらの方法以外の方法により明示したときは、この限りでない。
一 書面の交付の方法
二 次のいずれかの方法によることを当該派遣労働者が希望した場合における当該方法
イ ファクシミリを利用してする送信の方法
ロ 電子メール等の送信の方法
2 前項ただし書の場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、当該労働者派遣の開始の後遅滞なく、当該事項を前項各号に掲げるいずれかの方法により当該派遣労働者に明示しなければならない。
一 当該派遣労働者から請求があつたとき
二 前号以外の場合であつて、当該労働者派遣の期間が一週間を超えるとき
3 前二項の規定は、法第三十四条第三項の規定による明示について準用する。

 労働基準法で明示されるべき労働条件は、雇用形態に関わらず全ての労働者に共通ですが、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者の場合は、それらの雇用形態に応じて、追加して明示しなければならない労働条件があります(パートタイム・有期雇用労働法第6条、労働者派遣法第31条の2)。特に、労働基準法では、 「昇給に関する事項」については、書面によらず、口頭での明示でもいいとされていますが、 パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者の場合は、 昇給の有無の明示は、書面にて行う必要があります。その他の追加の明示事項についても書面による交付が必要です。

パートタイム労働者、有期雇用労働者
 共通の明示事項に加えて、次の事項が書面(FAX、電子メール等)によって明示されなければならないこととなっています。
①昇給の有無
②退職手当の有無
③賞与の有無
④短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口
*有期雇用労働者への追加事項の明示は、中小企業については令和3年4月1日から義務化。

派遣労働者
 共通の明示事項に加えて、次の事項が書面(FAX、電子メール等)によって明示されなければならないこととなっています。
① 昇給の有無
② 退職手当の有無
③ 賞与の有無
④ 協定対象労働者であるか否か(協定対象労働者である場合には協定の有効期間の終期)
⑤ 派遣労働者からの苦情処理に関する事項

 書面による労働条件を明示するための労働条件通知者のモデル様式は、厚生労働省のホームページで次のとおり提供されています。モデル様式ですので、会社にあった内容に加工して使用する必要がありますが、明示が必要な事項は漏れなく記載してください。

労働基準法関係主要様式(労働条件通知書)

 労働条件通知書は、こちらからダウンロードできます。

【一般労働者用】 常用、有期雇用型(Word:37KB) /日雇型(Word:32KB)
【短時間労働者用】 常用、有期雇用型(Word:36KB)
【派遣労働者用】 常用、有期雇用型(Word:36KB) /日雇型(Word:30KB)
【建設労働者用】 常用、有期雇用型(Word:37KB) /日雇型(Word:30KB)
【林業労働者用】 常用、有期雇用型(Word:36KB) /日雇型(Word:30KB)

求人の場合の労働条件の明示

 ハローワークに求人の申し込みをする場合や、求人情報誌、ホームページ等で労働者の募集を行う場合は、労働時間、賃金など労働条件を明示することが義務付けられています(職業安定法第5条の3)。特に、労働時間、賃金など重要な労働条件については、書面によって明示しなければならないことになっています。
 なお、この書面による明示の方法については、労働者の希望がある場合には、①FAX、②電子メールやWebメールサービス、③LINEやメッセンジャー等のSNSメッセージ機能等の方法によることが認められています。ただし、労働者がその電子メール等の記録を出力することにより書面を作成できるものでなければならないことになっています(職業安定法施行規則第4条の2)。
 書面にて明示する必要がある事項は次のとおりです。
①労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
②労働契約の期間に関する事項
③試みの使用期間に関する事項
④就業の場所に関する事項
⑤始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
⑥賃金(臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)の額に関する事項
⑦健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険及び雇用保険の適用に関する事項
⑧労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
⑨労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨(派遣労働者として雇う場合に限る)
⑩就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項

 なお、上記⑥賃金に関し、時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度(いわゆる「固定残業代」を採用する場合には、次の内容の全てを明示する必要があります。
○固定残業代を除いた基本給の額
○固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
○固定残業時間を超える時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

(労働条件等の明示)
第五条の三 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
② 求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、求職者又は供給される労働者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。
③ 求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者(供給される労働者を雇用する場合に限る。)は、それぞれ、求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介による求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者と労働契約を締結しようとする場合であって、これらの者に対して第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下この項において「従事すべき業務の内容等」という。)を変更する場合その他厚生労働省令で定める場合は、当該契約の相手方となろうとする者に対し、当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項を明示しなければならない。
④ 前三項の規定による明示は、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により行わなければならない。

(法第五条の三に関する事項)
第四条の二 法第五条の三第三項の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。
一 求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介による求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者(以下この項において「紹介求職者等」という。)に対して法第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)の範囲内で従事すべき業務の内容等を特定する場合
二 紹介求職者等に対して法第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容等を削除する場合
三 従事すべき業務の内容等を追加する場合
2 法第五条の三第三項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 前項第一号の場合において特定する従事すべき業務の内容等
二 前項第二号の場合において削除する従事すべき業務の内容等
三 前項第三号の場合において追加する従事すべき業務の内容等
3 法第五条の三第四項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。ただし、第八号に掲げる事項にあっては、労働者を派遣労働者(労働者派遣法第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下同じ。)として雇用しようとする者に限るものとする。
一 労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
二 労働契約の期間に関する事項二の二 試みの使用期間に関する事項
三 就業の場所に関する事項
四 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
五 賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)第八条各号に掲げる賃金を除く。)の額に関する事項
六 健康保険法(大正十一年法律第七十号)による健康保険、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険及び雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険の適用に関する事項
七 労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
八 労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨
九 就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項
4 法第五条の三第四項の厚生労働省令で定める方法は、前項各号に掲げる事項(以下この項及び次項において「明示事項」という。)が明らかとなる次のいずれかの方法とする。ただし、職業紹介の実施について緊急の必要があるためあらかじめこれらの方法によることができない場合において、明示事項をあらかじめこれらの方法以外の方法により明示したときは、この限りでない。
一 書面の交付の方法
二 次のいずれかの方法によることを書面被交付者(明示事項を前号の方法により明示する場合において、書面の交付を受けるべき者をいう。以下この号及び次項において同じ。)が希望した場合における当該方法
イ ファクシミリを利用してする送信の方法
ロ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下このロ及び第十七条の七第二項第二号ロにおいて「電子メール等」という。)の送信の方法(当該書面被交付者が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
5 前項第二号イの方法により行われた明示事項の明示は、当該書面被交付者の使用に係るファクシミリ装置により受信した時に、同号ロの方法により行われた明示事項の明示は、当該書面被交付者の使用に係る通信端末機器に備えられたファイルに記録された時に、それぞれ当該書面被交付者に到達したものとみなす
6 法第五条の三第一項から第三項までの規定による明示は、試みの使用期間中の従事すべき業務の内容等と当該期間が終了した後の従事すべき業務の内容等とが異なる場合には、それぞれの従事すべき業務の内容等を示すことにより行わなければならない。
7 求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者は、求職者、募集に応じて労働者となろうとする者又は供給される労働者に対して法第五条の三第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容等に関する記録を、当該明示に係る職業紹介、労働者の募集又は労働者供給が終了する日(当該明示に係る職業紹介、労働者の募集又は労働者供給が終了する日以降に当該明示に係る労働契約を締結しようとする者にあっては、当該明示に係る労働契約を締結する日)までの間保存しなければならない。
8 求人者は、公共職業安定所から求職者の紹介を受けたときは、当該公共職業安定所に、その者を採用したかどうかを及び採用しないときはその理由を、速やかに、通知するものとする。

 これまでの説明を整理すると次のとおりです。なお、ファクスや電子メールでの明示は、受信したときに到達したものとみなされます(注:職業安定法では、電子メールは、ファイルに記録された時とされています。)。

雇入時に明示する事項整理表(書面明示事項も含む。)

労働基準法パートタイム・有期雇用労働法、労働者派遣法職業安定法
 必ず明示しなければならない事項(絶対的明示事項)
 昇給に関する事項 を除き書面交付必要
①労働契約の期間に関する事項
②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
③就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
賃金(退職手当及び⑧の臨時に支払われる賃金を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期 並びに昇給に関する事項
⑥退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

 定めがある場合には明示しなければならない事項(相対的明示事項)
 書面交付必要
⑦退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金(精勤手当、勤続手当、奨励加給又は能率手当)並びに最低賃金額に関する事項
⑨労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
⑩安全及び衛生に関する事項
⑪職業訓練に関する事項
⑫災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑬表彰及び制裁に関する事項
⑭休職に関する事項
書面交付必要

⑤昇給の有無
⑦退職手当の有無
⑧賞与の有無
⑮短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

㉑協定対象労働者であるか否か(協定対象労働者である場合には協定の有効期間の終期)
㉒派遣労働者からの苦情処理に関する事項
書面交付必要

②労働契約の期間に関する事項
③労働者が従事すべき業務の内容に関する事項
③就業の場所に関する事項

④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項
⑤賃金(臨時に支払われる賃金、賞与及び労働基準法施行規則(第八条各号に掲げる賃金(精勤手当、勤続手当、奨励加給又は能率手当)を除く。)の額に関する事項
⑯試みの使用期間に関する事項
⑰健康保険法による健康保険、厚生年金保険法による厚生年金、労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険及び雇用保険法による雇用保険の適用に関する事項
⑱労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項
⑲労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨
⑳就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項
雇入通知書の交付対比

ファックス・電子メール等での明示の根拠規定の記載状況

労働基準法パートタイム・有期雇用労働法職業安定法
希望した場合
①ファクシミリを利用してする送信の方法
②電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電子メール等の送信の方法(電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)  
希望した場合
①ファクシミリを利用してする送信の方法
②電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電子メール等の送信の方法(電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

明示(到達したものとみなす。)
ファクシミリ装置により受信した時
通信端末機器等により受信した時
希望した場合
①ファクシミリを利用してする送信の方法
②電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電子メール等の送信の方法(電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)

明示(到達したものとみなす。)
ファクシミリ装置により受信した時通信端末機器に備えられたファイルに記録された時
ファックス、電子メール等による明示

労働条件の相違がある場合

 労働基準法では、明示された労働条件が事実と相違する場合は、労働者は、即時に労働契約を解除することができるとされています。また、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から14日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならないとされています。
 また、 求人内容に変更明示が適切に行われていない場合や、当初の明示が不適切だった場合(虚偽の内容や、明示が不十分な場合)は、指導監督(行政指導や改善命令、勧告、企業名公表)や罰則等の対象となる場合があります。さらに求人が不受理となる場合があります。

(求人の申込み)
第五条の五 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求人の申込みは全て受理しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する求人の申込みは受理しないことができる。
一 その内容が法令に違反する求人の申込み
二 その内容である賃金、労働時間その他の労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当であると認められる求人の申込み
三 労働に関する法律の規定であって政令で定めるものの違反に関し、法律に基づく処分、公表その他の措置が講じられた者(厚生労働省令で定める場合に限る。)からの求人の申込み
四 第五条の三第二項の規定による明示が行われない求人の申込み
五 次に掲げるいずれかの者からの求人の申込み
イ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号及び第三十二条において「暴力団員」という。)
ロ 法人であって、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第三十二条において同じ。)のうちに暴力団員があるもの
ハ 暴力団員がその事業活動を支配する者
六 正当な理由なく次項の規定による求めに応じない者からの求人の申込み
② 公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求人の申込みが前項各号に該当するかどうかを確認するため必要があると認めるときは、当該求人者に報告を求めることができる。
③ 求人者は、前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。

(法第五条の五に関する事項)
第四条の三 公共職業安定所に対する求人の申込みは、原則として、求人者の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(その公共職業安定所が二以上ある場合には、厚生労働省組織規則(平成十三年厚生労働省令第一号)第七百九十二条の規定により当該事務を取り扱う公共職業安定所)においてこれを受理するものとする。
2 前項の公共職業安定所に申し込むことが、求人者にとつて不便である場合には、求人の申込みは、厚生労働省組織規則第七百九十二条の規定により当該事務を取り扱う公共職業安定所であって求人者に最も便利なものに対して行うことができる。
3 法第五条の五第一項第三号の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。
一 求人者が職業安定法施行令(昭和二十八年政令第二百四十二号。以下この項において「令」という。)第一条第一号又は第三号に掲げる法律の規定に違反する行為(労働基準法施行規則第二十五条の二第一項並びに第三十四条の三第一項及び第二項の規定に違反する行為を含む。以下この号において「違反行為」という。)をした場合であって、法第五条の五第二項の規定による報告の求め(以下この項において「報告の求め」という。)により、次のいずれかに該当することが確認された場合
イ 求人の申込みの時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないこと(当該違反行為をした日から起算して過去一年以内において当該違反行為と同一の規定に違反する行為(ロにおいて「同一違反行為」という。)をしたことがある場合その他当該違反行為が求職者の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがある場合に限る。)。
ロ 当該違反行為に係る事件について刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百三条第一項(同法第二百十一条及び第二百十六条において準用する場合を含む。)若しくは第二百四十六条の規定による送致又は同法第二百四十二条の規定による送付(以下このロにおいて「送致等」という。)が行われ、その旨の公表が行われた場合であって、次のいずれかに該当すること。
(1) 当該送致等の日前に当該違反行為の是正が行われた場合(当該違反行為をした日から起算して過去一年以内において同一違反行為をしたことがある場合であって、当該違反行為の是正が行われた日から当該送致等の日までの期間(以下このロにおいて「経過期間」という。)が六月を超えるときに限る。)であつて、求人の申込みの時において、当該送致等の日から起算して六月を経過していないこと。
(2) 当該送致等の日前に当該違反行為の是正が行われた場合(当該違反行為をした日から起算して過去一年以内において同一違反行為をしたことがある場合であって、経過期間が六月を超えないときに限る。)であって、求人の申込みの時において、当該送致等の日から起算して一年から経過期間を減じた期間が経過していないこと。
(3) 当該送致等の日前に当該違反行為の是正が行われた場合(当該違反行為をした日から起算して過去一年以内において同一違反行為をしたことがある場合を除く。)又は当該送致等の日前に当該違反行為の是正が行われていない場合であって、求人の申込みの時において、当該送致等の日から起算して一年を経過していないこと、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月が経過していないこと。
二 求人者が令第一条第二号に掲げる法律の規定に違反する行為(以下この号において「違反行為」という。)をし、法第四十八条の三第三項の規定による公表がされた場合であって、報告の求めにより、次のいずれかに該当することが確認された場合
イ 求人の申込みの時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないこと。
ロ 当該違反行為の是正が行われた日から起算して六月を経過する前に当該違反行為と同一の規定に違反する行為(以下このロにおいて「同一違反行為」という。)を行った場合であって、求人の申込みの時において、当該同一違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないことその他当該同一違反行為が求職者の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがあること。
二の二 求人者が令第一条第四号に掲げる法律の規定に違反する行為(以下この号において「違反行為」という。)をし、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第三十三条第二項の規定による公表がされた場合であって、報告の求めにより、次のいずれかに該当することが確認された場合
イ 求人の申込みの時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないこと。
ロ 当該違反行為の是正が行われた日から起算して六月を経過する前に当該違反行為と同一の規定に違反する行為(以下このロにおいて「同一違反行為」という。)を行った場合であって、求人の申込みの時において、当該同一違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないことその他当該同一違反行為が求職者の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがあること。
三 求人者が令第一条第五号に掲げる法律の規定に違反する行為(以下この号において「違反行為」という。)をし、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第三十条の規定による公表がされた場合であって、報告の求めにより、次のいずれかに該当することが確認された場合
イ 求人の申込みの時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないこと。
ロ 当該違反行為の是正が行われた日から起算して六月を経過する前に当該違反行為と同一の規定に違反する行為(以下このロにおいて「同一違反行為」という。)を行った場合であって、求人の申込みの時において、当該同一違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないことその他当該同一違反行為が求職者の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがあること。
四 求人者が令第一条第六号に掲げる法律の規定に違反する行為(以下この号において「違反行為」という。)をし、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第五十六条の二の規定による公表がされた場合であって、報告の求めにより、次のいずれかに該当することが確認された場合
イ 求人の申込みの時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないこと。
ロ 当該違反行為の是正が行われた日から起算して六月を経過する前に当該違反行為と同一の規定に違反する行為(以下このロにおいて「同一違反行為」という。)を行つた場合であって、求人の申込みの時において、当該同一違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して六月を経過していないことその他当該同一違反行為が求職者の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがあること。
4 公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者が、法第五条の五第一項ただし書の規定により求人の申込みを受理しないときは、求人者に対し、その理由を説明しなければならない。

参考

昭和22年9月13日付け発基第17号通達
 法15 条3 項の「必要な旅費」とは、労働者本人だけではなく、就業のため移転した家族の旅費を含むこと。
昭和23年7月20日付け基収第2483号
 「家族」とは、労働者により、生計を維持されている同居の親族(届出をしないが事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む)をいう。

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動画の目的・用途

 この動画は、本セミナーを受講した学生・生徒の皆さまには、受講したテーマの復習やその他テーマの学習において、また今回本セミナーを受講されていない学生・生徒の皆さまには自ら学習していただく際の支援ツールとしてご活用いただけるよう、極力、「見やすく、分かりやすく」をコンセプトに制作しました。
ぜひ学校や個別学習で視聴し、学んでください。

動画のご紹介

(14:42)(14:05)
労働法や労働条件の基礎などこの動画では、健康で、安心して、働くための労働法や労働条件の基礎について解説しています。労働契約、就業規則この動画では、労働条件の決定要素となる労働契約、就業規則に関連する項目について解説しています。
(15:37)(14:11)
賃金、労働保険、アルバイトなどこの動画では、重要な労働条件である賃金、困ったときの労働保険、アルバイト時の知識のポイントなどについて解説しています。労働時間、年休などこの動画では、重要な労働条件である労働時間、年休などについて解説しています。
(14:47)(15:57)
ハラスメント、育児休業などこの動画では、代表的なハラスメント、育児休業に関連する制度などについて解説しています。男女雇用機会均等、非正規雇用労働者の公正な待遇の確保、紛争解決などこの動画では、男女雇用機会均等、非正規雇用労働者の待遇の確保、紛争解決などについて解説しています。

 労働者が安心して働ける明るい職場を作ることは、事業規模や業種を問わず、すべての事業場にとって重要なことです。そのためには、あらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準などをはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくことが大切です。

就業規則

 労働者が安心して働ける明るい職場を作ることは、事業規模や業種を問わず、すべての事業場にとって重要なことです。そのためには、あらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準などをはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくことが大切です。

労働基準法
(作成及び届出の義務)
第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項
(作成の手続)
第九十条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
② 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。

就業規則の内容

 就業規則に記載する事項には、必ず記載しなければならない事項(以下「絶対的必要記載事項」といいます。)と、各事業場内でルールを定める場合には記載しなければならない事項(以下「相対的必要記載事項」といいます。)とがあります(労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「労基法」といいます。)第89条)。このほか、使用者において任意に記載し得る事項もあります。

絶対的必要記載事項は次のとおりです。
① 労働時間関係
 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場 合 においては就業時転換に関する事項
② 賃金関係
 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③ 退職関係
 退職に関する事項(解雇の事由を含みます。)
 相対的必要記載事項は次のとおりです。
① 退職手当関係
 適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
② 臨時の賃金・最低賃金額関係
 臨時の賃金等(退職手当を除きます。)及び最低賃金額に関する事項
③ 費用負担関係
 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせることに関する事項
④ 安全衛生関係
 安全及び衛生に関する事項
⑤ 職業訓練関係
 職業訓練に関する事項
⑥ 災害補償・業務外の傷病扶助関係
 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑦ 表彰・制裁関係
 表彰及び制裁の種類及び程度に関する事項
⑧ その他
 事業場の労働者すべてに適用されるルールに関する事項

 なお、就業規則の内容は、法令及び当該事業場において適用される労働協約に反してはなりません。法令又は労働協約に反する就業規則については、所轄労働基準監督署長はその変更を命ずることができます(労働基準法第92条)。

就業規則の作成及び変更の手続

 労基法は、労働者を1人でも使用する事業場に適用されますが、就業規則については、常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、これを作成しまたは変更する場合に、所轄労働基準監督署長に届け出なければならないとされています(労働基準法第89条)。

 また、就業規則は、企業単位ではなく事業場単位で作成し、届け出なければなりません。例えば、1企業で2以上の営業所、店舗等を有している場合、企業全体の労働者の数を合計するのではなく、それぞれの営業所、店舗等を1つの事業場としてとらえ、常時使用する労働者が10人以上の事業場について就業規則を作成する義務が生じます。なお、複数の営業所、店舗等の事業場を有する企業については、営業所、店舗等の就業規則が変更前、変更後ともに本社の就業規則と同一の内容のものである場合に限り、本社所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して一括して届け出ることも可能です。

 就業規則を作成し、又は変更する場合の所轄労働基準監督署長への届出については、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」といいます。)の意見を記し、その者の署名又は記名押印のある書面(意見書)を添付しなければなりません(労働基準法第90条)。この場合の労働者の過半数を代表する者は、①労基法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと、②就業規則の作成及び変更の際に、使用者から意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施する投票、挙手等の方法によって選出された者であって使用者の意向に基づいて選出されたものでないことのいずれにも該当する者でなければなりません(労働基準法施行規則(以下、「労基則」という。)第6条の2)。

 就業規則の作成又は変更に当たっては、その内容をよく吟味するとともに上記の手続等を遵守しなければなりません。特に、就業規則を労働者にとって不利益に変更する場合には、労働者の代表の意見を十分に聴くとともに、変更の理由及び内容が合理的なものとなるよう慎重に検討することが必要です。

モデル就業規則 (令和3年4月)

就業規則の周知

 作成した就業規則は、労働者の一人ひとりへの配付、労働者がいつでも見られるように職場の見やすい場所への掲示、備付け、あるいは電子媒体に記録し、それを常時モニター画面等で確認できるようにするといった方法により、労働者に周知しなければなりません(労働基準法第106条第1項)。

 就業規則は、作成したり、過半数代表者から意見を聴取しただけでは効力は発生しないと解されています。就業規則の効力発生時期は、就業規則が何らかの方法によって労働者に周知された時期以降で、就業規則に施行期日が定められているときはその日、就業規則に施行期日が定められていないときは、通常は労働者に周知された日と解されています。

(法令等の周知義務)
第百六条 使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第十八条第二項、第二十四条第一項ただし書、第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、第三十八条の三第一項並びに第三十九条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する協定並びに第三十八条の四第一項及び同条第五項(第四十一条の二第三項において準用する場合を含む。)並びに第四十一条の二第一項に規定する決議を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。
② 使用者は、この法律及びこの法律に基いて発する命令のうち、寄宿舎に関する規定及び寄宿舎規則を、寄宿舎の見易い場所に掲示し、又は備え付ける等の方法によつて、寄宿舎に寄宿する労働者に周知させなければならない。

 令和3年4月23日開催の第5回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会において、自動車運転者の改善基準告示の見直しについて、実態調査(①自動車運転者の労働時間等に係る実態調査結果(概要)、②自動車運転者の労働時間等に係る海外調査結果(概要)、③自動車運転者の労働時間等に係る疲労度調査結果(概要))の報告があった。これにより、具体的な改善基準告示の見直しが検討される予定です。

 令和3年4月23日開催の第5回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会において、自動車運転者の改善基準告示の見直しについて、実態調査(①自動車運転者の労働時間等に係る実態調査結果(概要)、②自動車運転者の労働時間等に係る海外調査結果(概要)、③自動車運転者の労働時間等に係る疲労度調査結果(概要))の報告があった。これにより、具体的な改善基準告示の見直しが検討される予定です。

① 自動車運転者の労働時間等に係る実態調査結果(概要)

② 自動車運転者の労働時間等に係る海外調査結果(概要)

③ 自動車運転者の労働時間等に係る疲労度調査結果(概要)

④ 自動車運転者の労働時間等に係る実態調査事業報告書

⑤ 改善基準告示の変遷

 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 」(以下「改善基準告示」という。)については、過労死防止等の観点からその見直しを求められており、労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(以下「専門委員会」という。)が設置され検討(現在5回開催)を行っているところである。

 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 」(以下「改善基準告示」という。)については、過労死防止等の観点からその見直しを求められており、労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(以下「専門委員会」という。)が設置され検討(現在5回開催)を行っているところである。
 改善基準告示の見直しに当たっては、ハイヤー・タクシー、トラック及びバスの業態ごとに、自動車運転者の多様な勤務実態や業務の特性等に応じた検討を行う必要がある。
 このため、専門委員会の下に、新たに公労使の三者で構成される自動車運転者労働時間等作業部会を業態ごとに設置し検討を行うこととされ、令和3年4月30日、第1回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会が開催された。

 なお、第5回の専門委員会については、令和3年4月25日投稿(5月3日更新)の自動車運転者の改善基準告示の見直し(労働政策審議会)をご覧ください。

 第1回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会議題は及び資料は次のとおり。

議題

(1)自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会の設置・運営等について           (2)令和3年度における自動車運転者労働時間等実態調査の実施について
(3)改善基準告示の見直しについて

【次第】第1回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会
【資料1】自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会運営規程(案)
【資料2】令和3年度における自動車運転者労働時間等実態調査の実施について
【参考資料】自動車運転者の労働時間等に係る作業部会の設置について

 厚生労働省は、2021年度の働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)交付申請受付を開始いたしました。交付申請期限は2021年11月30日までです。

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

 厚生労働省は、2021年度の働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)交付申請受付を開始いたしました。交付申請期限は2021年11月30日までです。

助成内容は、次のとおりです。

1 支給対象となる事業主

 支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する中小企業事業主

(1)労働者災害補償保険の適用事業主

(2)交付申請時点で、「成果目標」を設定

(3)全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備

2 支給条件

 支給のためには、(1)の取組を行い、(2)の目標を設定し達成すれば助成金が支給されます。また、時間外労働時間数を減少させるため割増賃金額を保証するためなど(3)のとおり3%以上の時間単位賃金額を引き上げた目標を設定し達成した場合、支給額が加算

(1)支給のための取組

 中小企業事業主支給対象となる取組いずれか1つ以上実施

① 労務管理担当者に対する研修

② 労働者に対する研修、周知・啓発

③ 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング

④ 就業規則・労使協定等の作成・変更

⑤ 人材確保に向けた取組

⑥ 労務管理用ソフトウェアの導入・更新

⑦ 労務管理用機器の導入・更新

⑧ デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

⑨ 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機等)

※研修には、業務研修も含む。

※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象とならない。

(2)成果目標の設定

 支給対象となる取組は、以下の「成果目標」①から③のうち1つ以上選択し、その達成を目指して実施する。

① 全ての対象事業場において、令和3年度又は令和4年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと

② 全ての対象事業場において、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること

③ 全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入すること

(3)賃金引き上げ加算

 上記の成果目標に加えて、対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額の引上げを3%以上行うことを成果目標に加えることができる。

3 事業実施期間

 事業実施期間中(交付決定の日から2022年1月31日(月)まで)に取組を実施

4 支給額

 取組の実施に要した経費の一部を成果目標の達成状況に応じて支給

 以下のいずれか低い方の額

(1)成果目標1から3の上限額および賃金加算額の合計額

(2)対象経費の合計額×補助率3/4(※)

(※)常時使用する労働者数が30名以下かつ、支給対象の取組で6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合の補助率は4/5

【(1)の上限額】

○ 成果目標1の上限額

  50万円

(ただし、時間外労働時間数等を月80時間を超えて設定している事業場で時間外労働時間数等を月60時間以下に設定した場合:100万円)

【(1)の賃金加算額】

引上人数1~3人4~6人7~10人11人~30人
3%以上15万円30万円50万円1人5万円(上限150万円)
5%以上24万円48万円80万円1人8万円(上限240万円)

○ 成果目標2達成時の上限額:50万円

○ 成果目標3達成時の上限額:50万円

5 締め切り

 申請の受付は2021年11月30日(火)まで(必着)

(なお、支給対象事業主数は国の予算額に制約されるため、11月30日以前に受付を締め切る場合がある。)

働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内リーフレット

 厚生労働省は、トラック運転者の長時間労働改善に向けて運送事業者や荷主企業が抱えている物流課題テーマを募集し、物流生産性向上とトラック運転者の長時間労働改善に向けた意見交換を行う「アイデアソン」(「アイデア」と「マラソン」を組み合わせた造語で、解決に向けた糸口を探す場)を、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」において5月31日まで募集、7~9月にオンライン意見交換会を開催することとし、長時間労働改善に結びつくが自らの力だけでは解決できない課題テーマを募集することにしています。

アイデアソン(トラック運転者の長時間労働改善に向けて運送事業者や荷主企業が抱えている物流課題テーマを募集)

 厚生労働省は、トラック運転者の長時間労働改善に向けて運送事業者や荷主企業が抱えている物流課題テーマを募集し、物流生産性向上とトラック運転者の長時間労働改善に向けた意見交換を行う「アイデアソン」(「アイデア」と「マラソン」を組み合わせた造語で、解決に向けた糸口を探す場)を、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」において5月31日まで募集、7~9月にオンライン意見交換会を開催することとし、長時間労働改善に結びつくが自らの力だけでは解決できない課題テーマを募集することにしています。

 詳細は、厚生労働省の公報ページに掲載されています。

トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト

 応募は、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」のアイデアソンで受け付けているようです。

「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 加工食品、飲料・酒物流編」策定

 国土交通省・国税庁・農林水産省・経済産業省・厚生労働省は、令和3年4月27日合同で「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン 加工食品、飲料・酒物流編」をとりまとめ旨の報道発表を行った。

 同ガイドラインは、飲料・酒合同会議において検討した結果を踏まえをとりまとめられたもので、ガイドライン策定の経緯は、次のとおりです。

1 30分以上の荷待ち時間が生じた件数が多い品目(加工食品、建設資材、紙・パルプ)について令和2年5月に各品目のガイドラインを策定

2 令和2年度は、荷待ち時間の発生件数が多かった飲料・酒物流について、引き続き、実証実験などを通してサプライチェーン全体での検討を実施し、ガイドラインを策定し、「加工食品物流編」から「加工食品、飲料・酒物流編」へ改訂

詳細は、厚生労働省の公報ページに掲載されています。

なお、ガイドラインは、国土交通省の広報ページに掲載されています。

 令和3年5月7日、厚生労働省は、令和2年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表しました。

「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果

 令和3年5月7日、厚生労働省は、令和2年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表しました。
 主な重点監督の結果は、労働基準関係法令の違反が疑われる9,120事業場に対して集中的に実施監督指導を実施したもので、全体の71.9%で労働基準関係法令違反が認められ、主な法違反は、違法な時間外労働30.8%、うち80時間を超えるもの22.8%、賃金不払残業5.2%、医師による面接指導等の指導33.4%、労働時間把握方法が不適切16.8%であった。また、監督指導事例も公表しています。

 重点監督の実施結果の概要を次のとおり整理してみます。

○ 重点結果の実施の背景、是正指導方針
 ① 働き方改革関連法順次施行、施行状況把握で重点監督実施
 ② 新型コロナウイルス感染症の影響でも積極的に重点監督実施
○ 是正勧告書交付状況(法違反の状況)
 ① 違反率71.9%、違法な時間外30.8%
 ② 大企業も重点監督指導対象(300人以上規模30.3%)
○ 指導票交付状況(主に健康障害防止)
  指導票事業場4,574事業場(50.2%)
○ 労働時間把握の方法
  タイムカードを基礎に確認が39.1%

1 重点結果の実施の背景、是正指導方針

① 平成31年4月1日から、長時間労働の抑制を図るため、時間外労働の上限を設けるなど働き方改革関連法が順次施行されており、施行状況を把握する必要があった。

② そのため、重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や若者 の「使い捨て」が疑われる事業場などを含め、労働基準関係法令の違反が疑われる9,120事業場に対して11月に集中的に実施した。昨年度11月の同様に8,904事業場に対して実施しており、新型コロナウイルス感染症の影響もあったが、前年同期比で216事業場(2.4%)増と厚生労働省が積極的に取り組んだ結果だと考えられます。

③ 何らかの労働基準法違反が71.9%あり、そのうち違法な時間外労働があったものが、30.8%もあり、うち22.8%が過労死ラインである月80時間を超えており、それらの事業場に対して、是正に向けた指導を行い、厚生労働省では今後も長時間労働の是正に向けた取組を積極的に行うとしております。本年度も同様の取組が行われるものと思われます。

(参考)令和3年度地方労働行政運営方針(20頁)

2 ウィズコロナ時代に安全で健康に働くことができる職場づくり
(2)働き方改革の実現に向けた取組について
④ 長時間労働の抑制に向けた監督指導等
 長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害を防止するため、各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場及び長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場に対する監督指導を引き続き実施する

2 是正勧告書交付状況(法違反の状況)

(1) 何らかの労働基準法違反

① 全体

 何らかの労働基準法違反があったものが6,553事業場(全体の71.9%)で労働基準関係法令違反が認められた。主な法違反は、違法な時間外労働2,807事業場(全体の30.8%)、賃金不払残業478事業場(全体の5.2%)、健康障害防止措置が未実施のものが1,829事業場(全体の20.1%)であった。

② 業種別

 業種別の違反率は、運輸交通業が322事業場(全体の79.5%)、接客娯楽業が570事業場(全体の77.4%)、製造業が1,497事業場(全体の74.4%)の順であった。

③ 監督対象事業場

 監督対象事業場は、企業規模別でみて300人以上で2,764事業場(全体の30.3%)であり、大企業についても監督対象事業場として選定されていた。

(2) 違法な時間外労働の内訳

 次のとおり違法な時間外労働を行っていたものが30.8%、過労死ラインの月80時間超えが22.8%もあった。
① 違法な時間外労働     2,807事業場(30.8%)
② ①のうち月  80時間超え640事業場(22.8%)
③ ①のうち月100時間超え341事業場(12.1%)
④ ①のうち月150時間超え 59事業場( 2.1%)
⑤ ①のうち月200時間超え 10事業場( 0.4%)

3 指導票交付状況(主に健康障害防止)

 指導票を交付し改善を指導した事業場は、4,574事業場(50.2%)で、過重労働による健康障害防止措置が不十分なものが 3,046事業場(33.4%)、労働時間の把握方法が不適正なものが1,528事業場(16.8%)もあった。

4 労働時間把握の方法

 次のとおり始業・終業時刻等を記録し労働時間の把握を行っていた。
① タイムカードを基礎に確認3,573事業場(39.1%)
② 自己申告制により確認2,395事業場(26.2%)
③ ICカード、IDカードを基礎に確認1,772事業場(19.4%)
④ 使用者が自ら現認833事業場(9.1%)
⑤ PCの使用時間の記録基礎に確認566事業場(6.2%)
注:部署等によって異なる労働時間の管理方法を採用している場合、複数に計上(9,137事業場)しているため、監督指導対象事業場数(9,120事業場)と一致しない。

参考 令和2年度11月「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果

 働き方改革を進める上で、参考になるサイトがあります。それが働き方改革特設サイトです。このサイトは、働き方改革について、①年次有給休暇の時季指定、②時間外労働の上限規制、③同一労働同一賃金について動画で紹介しており、また、リーフレットなどを整理して紹介しています。
 さらに、活用できる助成金(ア 働き方改革推進支援助成金、イ 業務改善助成金、ウ キャリアアップ助成金)についても紹介されています。

1 働き方改革特設サイト

 働き方改革を進める上で、参考になるサイトがあります。それが働き方改革特設サイトです。このサイトは、働き方改革について、①年次有給休暇の時季指定、②時間外労働の上限規制、③同一労働同一賃金について動画で紹介しており、また、リーフレットなどを整理して紹介しています。
 さらに、活用できる助成金(ア 働き方改革推進支援助成金、イ 業務改善助成金、ウ キャリアアップ助成金)についても紹介されています。

① 年次有給休暇の時季指定

② 時間外労働の上限規制

③ 同一労働同一賃金

④ 助成金

 ア 働き方改革推進支援助成金

 イ 業務改善助成金

 ウ キャリアアップ助成金

 働き方改革特設サイト:次のアドレスです。ご活用ください。

2 働き方・休み方改善ポータルサイト

 働き方・休み方改善ポータルサイトがあり、次のサイトから、企業・社員の方が「働き方・休み方改善指標」を活用して自己診断をしたり、企業の取組事例や働き方・休み方に関する資料などを確認することができます。

 企業・社員向け自己診断をしたい

 企業の(働き方改革)取組事例を検索したい

 労働者の休み方に着目した取組等を知りたい

 時間単位の年次有給休暇制度を知りたい

 キッズウィーク・地域の休暇取得促進の取組を知りたい

 ボランティア休暇・病気休暇など特別な休暇制度を知りたい

 勤務間インターバル制度について知りたい

 仕事の進め方など課題別の対策を知りたい

 シンポジウム・セミナー情報を知りたい

 制度・支援策を知りたい

 各地域の取組を知りたい

 事例集やパンフレットを探したい

 取組を掲載したい

 疑問を解決したい

 働き方・休み方改善ポータルサイト:次のアドレスです。ご活用ください。

3 各種リーフレット

 パンフレット、リーフレットなどが改正されたものが多数ありますので参考にしてください。

 各種リーフレット:次のアドレスです。ご活用ください

 令和3年4月23日の第5回の労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(以下「専門委員会」という。)において、自動車運転者の労働時間等に係る作業部会(以下「作業部会」という。)の設置することとされ、トラック作業部会、バス作業部会、ハイヤー・タクシー作業部会が設置され、第1回の作業部会が次のとおり開催された。
 各作業部会において、今後のスケジュールが示され、令和3年度中に4回の各作業部会を開催し、10月頃第6回専門委員会、3月頃第7回専門委員会を開催し、令和4年度12月改善基準告示改正・公布を行い、令和6年度4月から改正改善基準告示が施行されるという今後のスケジュールが示された。

 令和3年4月23日の第5回の労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(以下「専門委員会」という。)において、自動車運転者の労働時間等に係る作業部会(以下「作業部会」という。)の設置することとされ、トラック作業部会、バス作業部会、ハイヤー・タクシー作業部会が設置され、第1回の作業部会が次のとおり開催された。
 各作業部会において、今後のスケジュールが示され、令和3年度中に4回の各作業部会を開催し、10月頃第6回専門委員会、3月頃第7回専門委員会を開催し、令和4年度12月改善基準告示改正・公布を行い、令和6年度4月から改正改善基準告示が施行されるという今後のスケジュールが示された。

第1回 ハイヤー・タクシー作業部会 2021年5月28日(令和3年5月28日)

議題
(1)自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会の設置・運営等について
(2)改善基準告示の見直しについて
(3)今後のスケジュールについて
(4)その他 

第1回 バス作業部会 2021年5月12日(令和3年5月12日)

議題
(1)自動車運転者労働時間等専門委員会バス作業部会の設置・運営等について
(2)改善基準告示の見直しについて
(3)今後のスケジュールについて
(4)その他 

第1回 トラック作業部会 2021年4月30日(令和3年4月30日)

議題
(1)自動車運転者労働時間等専門委員会トラック作業部会の設置・運営等について
(2)令和3年度における自動車運転者労働時間等実態調査の実施について
(3)改善基準告示の見直しについて
(4)その他 

今後のスケジュール(案)

令和3年度

4月23日  第5回専門委員会
4月30日  第1回トラック作業部会
5月12日  第1回バス作業部会
5月28日  第1回ハイヤー・タクシー作業部会
8月頃   第2回各作業部会
10月頃   第6回専門委員会
11月頃   第3回各作業部会
2月頃   第4回各作業部会
3月頃   第7回専門委員会

令和4年度

~12月改善基準告示改正・公布
1月~3月告示周知・施行準備

令和5年度


4月~3月告示周知・施行準備

令和6年度

4月改善基準告示施行

 令和2年4月から施行された改正労働基準法及び同施行規則によれば、一見、賃金請求権、年次有給休暇の時効、賃金台帳等の記録の保管期間も全て5年となり、これら全ての時効が5年に延長になったのだろうか。ただ、附則をみれば、当面の間の経過措置を講ずるとされ3年とされたが、実際にどのような対応が必要だろうか。

Ⅰ 民法改正

 令和2年4月から改正施行された民法では、職業別の短期消滅時効(1年、2年、3年、5年)が廃止され、一般債権に係る消滅時効については、①債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年間行使しないとき、又は②権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年間行使しないときに時効によって消滅すると時効期間のルールがシンプルに統一された。

Ⅱ 労働基準法改正

 令和2年4月から施行された改正労働基準法及び同施行規則によれば、一見、賃金請求権、年次有給休暇の時効、賃金台帳等の記録の保管期間も全て5年となり、これら全ての時効が5年に延長になったのだろうか。ただ、附則をみれば、当面の間の経過措置を講ずるとされ3年とされたが、実際にどのような対応が必要だろうか。

結論

 結論は、次のとおり賃金及び付加金のみ改正対応が必要である。

① 賃金請求権の消滅時効は2年から3年に延長

② 付加金の請求期間は2年から3年に延長

③ それ以外は現行維持

 退職手当:5年、災害補償:2年、年次有給休暇:2年など
 労働者名簿等の記録の保存期間:3年

Ⅲ 改正の概要

 改正の概要は次のとおりである。

労働基準法改正の概要

第1 消滅時効の延長

① 賃金請求権の消滅時効の延長(2年から3年に延長)

 賃金請求権の消滅時効:2年から5年に延長(当分の間は3年)

 付加金の請求期間:2年から5年に延長(当分の間は3年)

② 賃金請求権以外の消滅時効(現行維持)

 退職手当(5年)、災害補償、年休等(2年)の請求権:現行維持

第2 付加金の請求期間の延長(2年から3年に延長)

第3 記録の保存期間の延長(現行と同様に3年)

 賃金台帳等の記録の保存期間:3年から5年に延長(当分の間は3年)

第4 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化

(参考)

未払賃金が請求できる期間などが延長されます(リーフレット)

労働基準法の一部を改正する法律について(時効5年延長)

施行通達

Ⅳ 改正内容

 改正内容を次のとおり整理する。

第1 賃金請求権の消滅時効の延長

 賃金請求権(退職金を除く。)の消滅時効は、5年に延長された。が、当分の間3年とされ、災害補償、退職金等の消滅時効は、現行維持とされた。

1 賃金(退職手当を除く。)の請求権(2年から3年に延長)

 金品の返還(23条。賃金の請求に限る。)、賃金の支払(24条)、非常時払(25条)、休業手当(26条)、出来高払制の保障給(27条)、 時間外・休日労働等に対する割増賃金(37条)、 年次有給休暇中の賃金(39条9項)、未成年者の賃金請求権(59条)

2 災害補償の請求権(現行維持:2年)

 療養補償(75条)、休業補償(76条)、障害補償(77条)、 遺族補償(79条)、葬祭料(80条)、分割補償(82条)

3 その他の請求権(現行維持:2年)

 帰郷旅費(15条3項、64条)、退職時の証明(22条)、 金品の返還(23条。賃金を除く。)、年次有給休暇請求権(39条)

4 退職手当(現行維持:5年)

 退職手当(24条、労働協約又は就業規則によって予め支給条件が明確にされている場合)の請求権

第2 付加金の請求期間の延長(2年から3年に延長)

 付加金は、割増賃金等の支払義務違反に対する一種の制裁として未払金の支払を確保することや私人による訴訟のもつ抑止力を強化する観点から設けられた制度であり、その請求を行うことができる期間は、改正前の労働基準法第114条において、賃金等請求権の消滅時効期間に合わせて2年と定められていた。改正法において、賃金請求権の消滅時効期間に合わせて請求を行うことができる付加金の請求期間は、5年に延長されたが、当分の間3年とされた。

参考
  付加金制度の対象は、次の規定違反である。
① 解雇予告手当
② 休業手当
③ 割増賃金
④ 年次有給休暇中の賃金

第3 労働者名簿等の記録の保存期間の延長(従前と同様に3年)

 労働者名簿や賃金台帳等の記録については、紛争解決や監督上の必要から、その証拠を保存する意味で、3年間の保存義務が設けられていた。改正法において、次の労働者名簿等の記録の保存期間は、5年に延長されたが、当分の間3年とされた。

1 労働者名簿
2 賃金台帳
3 雇入れに関する書類
   例:雇入決定関係書類、契約書、労働条件通知書、履歴書、 身元引受書等
4 解雇に関する書類
  例:解雇決定関係書類、解雇予告除外認定関係書類、予告手当または退職手当の領収書等
5 災害補償に関する書類
  例:診断書、補償の支払、領収関係書類等
6 賃金に関する書類
  例:賃金決定関係書類、昇給・減給関係書類等
7 その他労働関係に関する重要な書類
 例:出勤簿、タイムカード等の記録、労使協定の協定書、各種許認可書、始業・終業時刻など労働 時間の記録に関する書類(使用者自ら始業・終業時間を記録したもの、残業命令書及びその報告書並びに労働者が自ら労働時間を記録した報告書)、退職関係書類、休職・出向関係書類、事業内貯蓄金関係書類等
8 時間外・休日労働協定における健康福祉確保措置の実施状況に関する記録
9 専門業務型裁量労働制に係る労働時間の状況等に関する記録
10 企画業務型裁量労働制に係る労働時間の状況等に関する記録
11 企画業務型裁量労働制等に係る労使委員会の議事録
12 年次有給休暇管理簿
13 高度プロフェッショナル制度に係る同意等に関する記録
14 高度プロフェッショナル制度に係る労使委員会の議事録
15 労働時間等設定改善委員会の議事録
16 労働時間等設定改善企業委員会の議事録

第4 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化

 改正法により、賃金請求権の消滅時効と記録の保存期間が同一となることを踏まえ、賃金請求権の消滅時効期間が満了するまでは、タイムカード等の必要な記録の保存がなされるよう、賃金台帳及び賃金その他労働関係に関する重要な書類の保存期間の起算日を賃金支払期日とした。

参考
 例えば、事業主が就業規則等において、賃金計算期間を当月1日~末日、賃金支払期日を翌月10日と定めているケースにおいては、タイムカード等、賃金計算に係る記録の保存期間は、翌月10日から起算して3年の保存が必要となる。

Ⅴ 法令・省令の改正内容

 法令・省令の改正内容は、次のとおりである。

第1 賃金請求権の消滅時効の延長

 労働基準法第百十五条は、次のとおり改正され、賃金請求権の消滅時効は、民法の改正と同様に2年から5年に延長されたが、当分の間3年とされ、賃金請求権以外の退職手当の請求権は5年、災害補償、年休等の請求権は2年と現行維持となった。

【労働基準法】

改正後

第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

改正前

第百十五条 この法律の規定による賃金(退職金は除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律に規定する退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

 なお、附則により次のとおり読み替えることとされた。

附則 第百四十三条

③  第百十五条の規定の適用については、当分の間、同条中「賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間」とあるのは、「退職手当の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権はこれを行使することができる時から三年間」とする。

読み替え後

第百十五条 この法律の規定による退職手当の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)の請求権はこれを行使することができる時から三年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

第2 付加金の請求期間の延長

 労働基準法第百十四条は、次のとおり改正され、付加金の請求期間は、民法の改正と同様に2年から5年に延長されたが、当分の間3年とされた。
※ 付加金とは、裁判所が、労働者の請求により、事業主に対して未払賃金(割増賃金等の支払いがなかった場合)に加えて支払を命じることができるものである。

【労働基準法】

付加金の支払い

第百十四条 裁判所は、第二十条、第二十六条若しくは第三十七条の規定に違反した使用者又は第三十九条第九項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から五年(旧:二年)以内にしなければならない。

附則 第百四十三条

②  第百十四条の規定の適用については、当分の間、同条ただし書中「五年」とあるのは、「三年」とする。

第3 記録の保存期間の延長

 労働基準法第百九条は、次のとおり改正され、労働者名簿、賃金台帳等の記録の保存期間は、民法の改正と同様に2年から5年に延長されたが、当分の間3年された。

【労働基準法】

記録の保存

第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年(旧:三年)間保存しなければならない。

附則 第百四十三条

第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。

【労働基準法施行規則】

第十七条

第十七条 法第三十六条第二項第五号の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。ただし、第四号から第七号までの事項については、同条第一項の協定に同条第五項に規定する事項に関する定めをしない場合においては、この限りでない。
一 法第三十六条第一項の協定(労働協約による場合を除く。)の有効期間の定め
二 法第三十六条第二項第四号の一年の起算日
三 法第三十六条第六項第二号及び第三号に定める要件を満たすこと。
四 法第三十六条第三項の限度時間(以下この項において「限度時間」という。)を超えて労働させることができる場合
五 限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置
六 限度時間を超えた労働に係る割増賃金の率
七 限度時間を超えて労働させる場合における手続
② 使用者は、前項第五号に掲げる措置の実施状況に関する記録を同項第一号の有効期間中及び当該有効期間の満了後五年(旧:三年)間保存しなければならない。
③ 前項の規定は、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議について準用する。

第二十四条の二の二

第二十四条の二の二 法第三十八条の三第一項の規定は、法第四章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用する。
② 法第三十八条の三第一項第一号の厚生労働省令で定める業務は、次のとおりとする。
一 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
二 情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であってプログラムの設計の基本となるものをいう。)の分析又は設計の業務
三 新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第二十八号に規定する放送番組(以下「放送番組」という。)の制作のための取材若しくは編集の業務
四 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
五 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
六 前各号のほか、厚生労働大臣の指定する業務
③ 法第三十八条の三第一項第六号の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 法第三十八条の三第一項に規定する協定(労働協約による場合を除き、労使委員会の決議及び労働時間等設定改善委員会の決議を含む。)の有効期間の定め
二 使用者は、次に掲げる事項に関する労働者ごとの記録を前号の有効期間中及び当該有効期間の満了後五年(旧:三年)間保存すること。
イ 法第三十八条の三第一項第四号に規定する労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置として講じた措置
ロ 法第三十八条の三第一項第五号に規定する労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置
④ 法第三十八条の三第二項において準用する法第三十八条の二第三項の規定による届出は、様式第十三号により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。
第二十四条の二の三 法第三十八条の四第一項の規定による届出は、様式第十三号の二により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。
② 法第三十八条の四第一項の規定は、法第四章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用する。
③ 法第三十八条の四第一項第七号の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 法第三十八条の四第一項に規定する決議の有効期間の定め
二 使用者は、次に掲げる事項に関する労働者ごとの記録を前号の有効期間中及び当該有効期間の満了後五年(旧:三年)間保存すること。
イ 法第三十八条の四第一項第四号に規定する労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置として講じた措置
ロ 法第三十八条の四第一項第五号に規定する労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置
ハ 法第三十八条の四第一項第六号の同意

第二十四条の二の三

第二十四条の二の三 法第三十八条の四第一項の規定による届出は、様式第十三号の二により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。
② 法第三十八条の四第一項の規定は、法第四章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用する。
③ 法第三十八条の四第一項第七号の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 法第三十八条の四第一項に規定する決議の有効期間の定め
二 使用者は、次に掲げる事項に関する労働者ごとの記録を前号の有効期間中及び当該有効期間の満了後五年(旧:三年)間保存すること。
イ 法第三十八条の四第一項第四号に規定する労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置として講じた措置
ロ 法第三十八条の四第一項第五号に規定する労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置
ハ 法第三十八条の四第一項第六号の同意

第三十四条の二

第三十四条の二 法第四十一条の二第一項の規定による届出は、様式第十四号の二により、所轄労働基準監督署長にしなければならない。
② 法第四十一条の二第一項各号列記以外の部分に規定する厚生労働省令で定める方法は、次に掲げる事項を明らかにした書面に対象労働者(同項に規定する「対象労働者」をいう。以下同じ。)の署名を受け、当該書面の交付を受ける方法(当該対象労働者が希望した場合にあっては、当該書面に記載すべき事項を記録した電磁的記録の提供を受ける方法)とする。
一 対象労働者が法第四十一条の二第一項の同意をした場合には、同項の規定により、法第四章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定が適用されないこととなる旨
二 法第四十一条の二第一項の同意の対象となる期間
三 前号の期間中に支払われると見込まれる賃金の額
③ 法第四十一条の二第一項第一号の厚生労働省令で定める業務は、次に掲げる業務(当該業務に従事する時間に関し使用者から具体的な指示(業務量に比して著しく短い期限の設定その他の実質的に当該業務に従事する時間に関する指示と認められるものを含む。)を受けて行うものを除く。)とする。
一 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
二 資産運用(指図を含む。以下この号において同じ。)の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務のうち、投資判断に基づく資産運用の業務、投資判断に基づく資産運用として行う有価証券の売買その他の取引の業務又は投資判断に基づき自己の計算において行う有価証券の売買その他の取引の業務
三 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務
四 顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務
五 新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務
④ 法第四十一条の二第一項第二号イの厚生労働省令で定める方法は、使用者が、次に掲げる事項を明らかにした書面に対象労働者の署名を受け、当該書面の交付を受ける方法(当該対象労働者が希望した場合にあつては、当該書面に記載すべき事項を記録した電磁的記録の提供を受ける方法)とする。
一 業務の内容
二 責任の程度
三 職務において求められる成果その他の職務を遂行するに当たつて求められる水準
⑤ 法第四十一条の二第一項第二号ロの基準年間平均給与額は、厚生労働省において作成する毎月勤労統計(以下「毎月勤労統計」という。)における毎月きまつて支給する給与の額の一月分から十二月分までの各月分の合計額とする。
⑥ 法第四十一条の二第一項第二号ロの厚生労働省令で定める額は、千七十五万円とする。
⑦ 法第四十一条の二第一項第三号の厚生労働省令で定める労働時間以外の時間は、休憩時間その他対象労働者が労働していない時間とする。
⑧ 法第四十一条の二第一項第三号の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法とする。ただし、事業場外において労働した場合であつて、やむを得ない理由があるときは、自己申告によることができる。
⑨ 法第四十一条の二第一項第五号イの厚生労働省令で定める時間は、十一時間とする。
⑩ 法第四十一条の二第一項第五号イの厚生労働省令で定める回数は、四回とする。
⑪ 法第四十一条の二第一項第五号ロの厚生労働省令で定める時間は、一週間当たりの健康管理時間(同項第三号に規定する健康管理時間をいう。以下この条及び次条において同じ。)が四十時間を超えた場合におけるその超えた時間について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める時間とする。
一 一箇月百時間
二 三箇月二百四十時間
⑫ 法第四十一条の二第一項第五号ニの厚生労働省令で定める要件は、一週間当たりの健康管理時間が四十時間を超えた場合におけるその超えた時間が一箇月当たり八十時間を超えたこと又は対象労働者からの申出があつたこととする。
⑬ 法第四十一条の二第一項第五号ニの厚生労働省令で定める項目は、次に掲げるものとする。
一 労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第四十四条第一項第一号から第三号まで、第五号及び第八号から第十一号までに掲げる項目(同項第三号に掲げる項目にあつては、視力及び聴力の検査を除く。)
二 労働安全衛生規則第五十二条の四各号に掲げる事項の確認
⑭ 法第四十一条の二第一項第六号の厚生労働省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。
一 法第四十一条の二第一項第五号イからニまでに掲げるいずれかの措置であつて、同項の決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずることとした措置以外のもの
二 健康管理時間が一定時間を超える対象労働者に対し、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいい、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第六十六条の八の四第一項の規定による面接指導を除く。)を行うこと。
三 対象労働者の勤務状況及びその健康状態に応じて、代償休日又は特別な休暇を付与すること。
四 対象労働者の心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること。
五 対象労働者の勤務状況及びその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること。
六 産業医等による助言若しくは指導を受け、又は対象労働者に産業医等による保健指導を受けさせること。
⑮ 法第四十一条の二第一項第十号の厚生労働省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 法第四十一条の二第一項の決議の有効期間の定め及び当該決議は再度同項の決議をしない限り更新されない旨
二 法第四十一条の二第一項に規定する委員会の開催頻度及び開催時期
三 常時五十人未満の労働者を使用する事業場である場合には、労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する医師を選任すること。
四 使用者は、イからチまでに掲げる事項に関する対象労働者ごとの記録及びリに掲げる事項に関する記録を第一号の有効期間中及び当該有効期間の満了後五年(旧:三年)間保存すること。
イ 法第四十一条の二第一項の規定による同意及びその撤回
ロ 法第四十一条の二第一項第二号イの合意に基づき定められた職務の内容
ハ 法第四十一条の二第一項第二号ロの支払われると見込まれる賃金の額
ニ 健康管理時間の状況
ホ 法第四十一条の二第一項第四号に規定する措置の実施状況
ヘ 法第四十一条の二第一項第五号に規定する措置の実施状況
ト 法第四十一条の二第一項第六号に規定する措置の実施状況
チ 法第四十一条の二第一項第八号に規定する措置の実施状況
リ 前号の規定による医師の選任

第五十六条

第五十六条 法第百九条の規定による記録を保存すべき期間の計算についての起算日は次のとおりとする。
一 労働者名簿については、労働者の死亡、退職又は解雇の日
二 賃金台帳については、最後の記入をした日
三 雇入れ又は退職に関する書類については、労働者の退職又は死亡の日
四 災害補償に関する書類については、災害補償を終わつた日
五 賃金その他労働関係に関する重要な書類については、その完結の日
② 前項の規定にかかわらず、賃金台帳又は賃金その他労働関係に関する重要な書類を保存すべき期間の計算については、当該記録に係る賃金の支払期日が同項第二号又は第五号に掲げる日より遅い場合には、当該支払期日を起算日とする。
③ 前項の規定は、第二十四条の二の二第三項第二号イ及び第二十四条の二の三第三項第二号イに規定する労働者の労働時間の状況に関する労働者ごとの記録、第二十四条の二の四第二項(第三十四条の二の三において準用する場合を含む。)に規定する議事録、年次有給休暇管理簿並びに第三十四条の二第十五項第四号イからヘまでに掲げる事項に関する対象労働者ごとの記録について準用する。

附則第七十一条

第七十一条 読替後の法第三十六条第一項の協定については、令和六年三月三十一日までの間、第十七条第一項第三号から第七号までの規定は適用しない。

附則第七十二条

第七十二条 第十七条第二項、第二十四条の二の二第三項第二号、第二十四条の二の三第三項第二号、第二十四条の二の四第二項(第三十四条の二の三において準用する場合を含む。)、第二十四条の七及び第三十四条の二第十五項第四号の規定の適用については、当分の間、これらの規定中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。

Ⅵ まとめ(改正労働基準法の内容)

 令和2年3月31日に、次の内容の「労働基準法の一部を改正する法律」が公布され、令和2年4月Ⅰ日から施行された。

第1 賃金請求権の消滅時効の延長

 賃金(退職手当を除く。)の請求権の消滅時効期間を5年間に延長するとともに、消滅時効の起算点について、請求権を行使することができる時であることを明確化することとする。

第2 付加金の請求期間の延長

 付加金の請求を行うことができる期間について、違反があった時から5年に延長することとする。

第3 労働者名簿等の記録の保存期間の延長

 労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類の保存期間について、5年間に延長することとする。

第4 消滅時効の起算点が客観的起算点(賃金支払日)であることを明確化

 賃金台帳又は賃金その他労働関係に関する重要な書類を保存すべき期間の計算については、当該記録に係る賃金の支払期日が最後の記入をした日(賃金台帳)又は完結の日(その他の書類)より遅い場合には、当該支払期日を起算日とする。

第5 経過措置

 改正後の労働基準法第109条、第114条及び第115条の規定の適用について、労働者名簿等の保存期間、付加金の請求を行うことができる期間及び賃金(退職手当を除く。)の請求権の消滅時効期間は、当分の間、3年間とすることとする。

Ⅶ 改正労働基準法等に関するQ&A

改正労働基準法等に関するQ&A

 全ての都道府県で地域別最低賃金が改正され、施行期日が決まりました。全国加重平均額は昨年度から28円引上げの930円です。

令和3年度地域別最低賃金改定状況

 最低賃金が改定されます。
 都道府県の令和3年度地域別最低賃金額及び発効年月日は、以下のとおりです。
 また、平成14年度から令和2年度までの地域別最低賃金改定状況については、「令和2年度地域別最低賃金改定状況」の下に掲載しています。

   都道府県名最低賃金時間額【円】   
北海道889(861)令和3年10月1日
青  森822(793)令和3年10月6日
岩  手821(793)令和3年10月2日
宮  城853(825)令和3年10月1日
秋  田822(792)令和3年10月1日
山  形822(793)令和3年10月2日
福  島828(800)令和3年10月1日
茨  城879(851)令和3年10月1日
栃  木882(854)令和3年10月1日
群  馬865(837)令和3年10月2日
埼  玉956(928)令和3年10月1日
千  葉953(925)令和3年10月1日
東  京1,041(1,013)令和3年10月1日
神奈川1,040(1,012)令和3年10月1日
新  潟859(831)令和3年10月1日
富  山877(849)令和3年10月1日
石  川861(833)令和3年10月7日
福  井858(830)令和3年10月1日
山  梨866(838)令和3年10月1日
長  野877(849)令和3年10月1日
岐  阜880(852)令和3年10月1日
静  岡913(885)令和3年10月2日
愛  知955(927)令和3年10月1日
三  重902(874)令和3年10月1日
滋  賀896(868)令和3年10月1日
京  都937(909)令和3年10月1日
大  阪992(964)令和3年10月1日
兵  庫928(900)令和3年10月1日
奈  良866(838)令和3年10月1日
和歌山859(831)令和3年10月1日
鳥  取821(792)令和3年10月6日
島  根824(792)令和3年10月2日
岡  山862(834)令和3年10月2日
広  島899(871)令和3年10月1日
山  口857(829)令和3年10月1日
徳  島824(796)令和3年10月1日
香  川848(820)令和3年10月1日
愛  媛821(793)令和3年10月1日
高  知820(792)令和3年10月2日
福  岡870(842)令和3年10月1日
佐  賀821(792)令和3年10月6日
長  崎821(793)令和3年10月2日
熊  本821(793)令和3年10月1日
大  分822(792)令和3年10月6日
宮  崎821(793)令和3年10月6日
鹿児島821(793)令和3年10月2日
沖  縄820(792)令和3年10月8日
全国加重平均額930(902)

全ての都道府県で地域別最低賃金の答申

 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました。答申での全国加重平均額は昨年度から28円引上げの930円です。厚生労働省は、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和3年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)を取りまとめました。改定額及び発効予定年月日は別紙のとおりです。これは、7月16日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考として、各地方最低賃金審議会で調査・審議した結果を取りまとめたものです。答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月上旬までの間に順次発効される予定です。 

 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました。答申での全国加重平均額は昨年度から28円引上げの930円です。厚生労働省は、都道府県労働局に設置されている地方最低賃金審議会が答申した令和3年度の地域別最低賃金の改定額(以下「改定額」)を取りまとめました。改定額及び発効予定年月日は別紙のとおりです。これは、7月16日に厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が示した「令和3年度地域別最低賃金額改定の目安について」などを参考として、各地方最低賃金審議会で調査・審議した結果を取りまとめたものです。答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月上旬までの間に順次発効される予定です。 

令和3年度 地方最低賃金審議会の答申のポイント

  • 47都道府県で、28円~30円、32円の引上げ(引上げ額が28円は40都道府県、29円は4県、30円は2県、32円は1県)
  • 改定額の全国加重平均額は930円(昨年度902円)
  • 全国加重平均額28円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額
  • 最高額(1,041円)に対する最低額(820円)の比率は、78.8%(昨年度は78.2%。なお、この比率は7年連続の改善)

 なお、 中央最低賃金審議会の審議経緯は、次のとおりです。

 令和3年7月16日、開催された第61回中央最低賃金審議会(会長:藤村博之法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授)で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。

 この答申は、今年の6月22日に開催された第60回中央最低賃金審議会で、厚生労働大臣から今年度の目安についての諮問を受け、同日に「中央最低賃金審議会目安に関する小委員会」を設置し、5回にわたる審議を重ねて取りまとめた「目安に関する公益委員見解」等を地方最低賃金審議会に示すものです。今年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均は28円となり、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額となります。また、引上げ率に換算すると3.1%となっています。なお、目安を示す時期は、例年より1週間程度早くなっています
(参考)
令和3年7日16日
令和2年7日22日
令和元年7月31日
平成30年7日26日
平成29年7月27日

以下に公益委員見解及び小委員会報告を掲載します。

令和3年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解(令和3年7月 14 日)

1    令和3年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、次の表に掲げる金額とする。

令和3年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安

ランク都道府県金額
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪28 円
茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、 兵庫、広島28 円
北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、 和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡28 円
青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、 佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄28 円

2(1)目安小委員会は、今年度の目安審議に当たって、平成 29 年全員協議会報告の3(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、特に地方最低賃金審議会における自主性発揮が確保できるよう整備充実や取捨選択を行った資料を基にするとともに、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」及び「成長戦略実行計画・成長戦略フォローアップ」に配意した調査審議が求められたことについて特段の配慮をした上で、総合的な審議を行ってきた。

今年度の公益委員見解を取りまとめるに当たっては、

① 賃金改定状況調査結果第4表や春季賃上げ妥結状況等における賃金上昇率は、昨年より上げ幅は縮小しているが、引き続きプラスの水準を示していること、また、昨年度は、最低賃金の引上げ額の目安を示せず、最低賃金の引上げ率は 0.1%となったこと、

消費者物価指数は、横ばい圏内で推移しており、名目GDPは、令和2年には落ち込んだものの、足下では一時期より回復していること、加えて、新型コロナウイルス感染症の感染状況については予断を許さないものの今年度はワクチン接種が開始されるなど、少なくとも昨年度とは審議の前提となる状況が異なっていること、

③ 法人企業統計における企業利益は、足下では、産業全体では回復が見られる

こと、また、一部産業では引き続きマイナスとなっているものの、政府として、

「感染症の影響を受けて厳しい業況の企業に配慮しつつ、生産性向上等に取り組む中小企業への支援強化、下請取引の適正化、金融支援等に一層取り組む方針」であること、

雇用情勢は、令和2年には悪化したものの、足下では横ばい圏内で推移しており、有効求人倍率は1倍を超え、失業率も3%以下で推移していること、

政府としては、最低賃金について、より早期に全国加重平均 1,000 円を目指すこととされているところ、Ⓒから④までの状況を総合的に勘案すれば、平成28 年度から令和元年度までの最低賃金を 3.0~3.1%引き上げてきた時期と比べて、今年度の状況は大きく異なるとは言えず、最低賃金をその時期と同程度引き上げた場合にマクロで見た際の雇用情勢に大きな影響を与えるとまでは言えないと考えられること、

地域間格差への配慮の観点から少なくとも地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き続き上昇させていく必要があること、また、賃金改定状況調査結果第4表のうちAランクとCランクが最も高い賃金上昇率であった一方、雇用情勢については昨年においてAランクを中心に悪化したこと等を総合的に勘案する必要があること、

⑦ 最低賃金を含めた賃金の引上げにより、可処分所得の継続的な拡大と将来の安心の確保を図り、さらに消費の拡大につなげるという経済の好循環を実現させることや非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められていることを特に重視する必要があること

等を総合的に勘案し、検討を行ったところである。

 目安小委員会の公益委員としては、地方最低賃金審議会においては、地域別最低賃金の審議に際し、地域の経済・雇用の実態を見極めつつ、目安を十分に参酌することを強く期待する。また、中央最低賃金審議会が地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。

(2)生活保護水準と最低賃金との比較では、昨年度に引き続き乖離が生じていないことが確認された。

 なお、来年度以降の目安審議においても、最低賃金法第9条第3項及び平成 29 年全員協議会報告の3(2)に基づき、引き続き、その時点における最新のデータに基づいて生活保護水準と最低賃金との比較を行い、乖離が生じていないか確認することが適当と考える。

(3)最低賃金引上げの影響については、平成 29 年全員協議会報告の3(2)及び4(3)に基づき、引き続き、影響率や雇用者数等を注視しつつ、慎重に検討していくことが必要である。

中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(令和3年7月 14 日)

1 はじめに

 令和3年度の地域別最低賃金額改定の目安については、累次にわたり会議を開催し、目安額の提示の是非やその根拠等についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くしたところである。

2  労働者側見解

 労働者側委員は、現在も新型コロナウイルス感染症による影響は予断を許さない状況であるが、コロナ禍から1年余が経過した今、先行きを見通す環境は確実に変化していることから、今年度は、ワクチン接種や世界・日本経済の回復など昨年度とは明らかに異なる環境変化を見極めた上で議論を尽くす必要があるとの認識を示した。その上で、最低賃金を改定しないことは社会不安を増大させ格差を是認することと同義であり、中賃の役割からしてあってはならず、最低賃金の確実な引上げにつながる有額の目安を示すことで、セーフティネットとしての機能を果たし、最低賃金法第1条にある「国民経済の健全な発展に寄与する」という目的を達成するべきであると主張した。

 さらに、日本の最低賃金は国際的に見ても低位であり、諸外国ではコロナ禍でも最低賃金の引上げを行っている中、グローバルスタンダードを見据え、ナショナルミニマムにふさわしい水準に引き上げるべきであると主張した。

 また、エッセンシャルワーカーの中には処遇が高くない労働者も少なくなく、コロナ禍で懸命に働き続けている労働者の努力に報いるためにも、最低賃金の引上げを行うべきであるとともに、新型コロナウイルス感染症対策としてのマスクや手指消毒液などの恒常的な支出増が、最低賃金近傍で働く者の家計に大きな影響を与えていることも考慮すべきであると主張した。

 加えて、1 年余のコロナ禍により労働者の生活困窮度は深刻さを増し、緊急小口資金等による貸付はリーマンショックの 50 倍となっており、労働者は賃金を得て返済するしか術はないと主張した。

 さらに、中小企業が賃上げしやすい環境整備に向けては、最低賃金引上げの各種支援策の拡充と各省庁が連携した周知や、中小企業が生み出した付加価値を確実に価格に転嫁できる環境整備が重要であり、政府も政策対応をはかっていることを踏まえて審議すべきと主張した。

 以上を踏まえれば、「誰もが時給 1,000 円」を実現するため、今年度は「800 円未達の地域をなくすこと」「トップランナーであるAランクは 1,000 円に到達すること」の両方を達成する目安を示すべきであると主張した。併せて、最低賃金の地

 域間格差は隣県や大都市圏への労働力流出の一因ともなっており、昨年度の地方審議の結果を見ても各地方は懸命に地域間格差の縮小の努力をしていることから、今年度は地域間の「額差」の縮小につながる目安を示すべきであると主張した。

 労働者側委員としては、上記主張が十分に考慮されずに取りまとめられた下記1 の公益委員見解については、不満の意を表明した。

3 使用者側見解

 使用者側委員は、最初の緊急事態宣言から1年3ヶ月経過し、足下では新型コロナウイルス感染症の感染再拡大の兆候が見られ、第5波の到来が懸念されているうえ、休業要請等により経済活動が抑制された状況では、業況の回復はほど遠く、中小企業への貸付残高も上がっており、事業を立て直す上でも大きな負担となっていると指摘した。さらに、中小企業は、価格転嫁が困難であり、労働分配率も高いが、コロナ禍では、従前にもまして、賃金支払能力が乏しい状況にあるとの認識を示した。

 また、最低賃金は、各種データによる明確な根拠をもとに、納得感のある水準とすべきであり、賃金水準の引上げなど、法が定める目的以外に用いるべきではないと主張した。

 さらに、今年度は、コロナ禍における中小企業、とりわけ厳しい状況にある業種の中小企業の窮状を考慮すると、3要素のうち通常の事業の賃金支払能力を最も重視して審議を進めるべきであり、企業の業況が二極化している状況を踏まえ、平均賃金や平均的な状況のみに着目するのではなく、とりわけコロナ禍の影響が深刻な宿泊・飲食、交通・運輸などの業種における経営状況や賃金支払余力に焦点を当てるべきであると述べた。

 経済界が事業の存続と雇用の維持に最大限努めた結果、雇用情勢が悪化する状況には至っていないが、雇用への影響がデータに表れてからでは手遅れであり、最低賃金の引上げが雇用調整の契機となることは避けるべきであることや、最低賃金の引上げによって、企業の人件費を増やした結果、倒産、廃業や雇用調整を招く懸念があり、そのトリガーを引くことになることは避けなければならないと主張した。

 コロナ禍でも、賃金引上げが可能な企業は賃上げに前向きに取り組み、消費の拡大につなげ、地域経済の活性化をはかることが望ましいが、現状では、 飲食業や宿泊業のみならず、これらと取引のある関連産業も厳しい状況にある。最低賃金の引上げは、危機的な経営状況の経営者にとって、雇用を維持したいという切実な想いを切り捨てるものにほかならないとの認識を示した。

 以上を踏まえると、今は、「事業の存続」と「雇用の維持」を最優先すべきであり、今年度は、最低賃金を引き上げず、「現行水準を維持」すべきであると主張した。

 使用者側委員としては、上記主張が十分に考慮されずに取りまとめられた下記1の公益委員見解については、不満の意を表明した。

4 意見の不一致

 本小委員会(以下「目安小委員会」という。)としては、これらの意見を踏まえ目安を取りまとめるべく努めたところであるが、労使の意見の隔たりが大きく、遺憾ながら目安を定めるに至らなかった。

5 公益委員見解及びその取扱い

 公益委員としては、今年度の目安審議については、平成 29 年全員協議会報告の3(2)で合意された今後の目安審議の在り方を踏まえ、加えて、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」及び「成長戦略実行計画・成長戦略フォローアップ」に配意しつつ、各種指標を総合的に勘案し、下記1のとおり公益委員の見解を取りまとめたものである。

 目安小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、これを公益委員見解として地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することと した。なお、使用者側委員は、下記1の公益委員見解を地方最低賃金審議会に示すように総会に報告することは適当でないとの意見を表明した。

 また、地方最低賃金審議会の自主性発揮及び審議の際の留意点に関し、下記2のとおり示し、併せて総会に報告することとした。

 さらに、中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げしやすい環境整備の必要性については労使共通の認識であり、生産性向上の支援や官公需における対応を含めた取引条件の改善等に引き続き取り組むことを政府に対し強く要望する。特に、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げ、生産性向上に取り組んだ場合に支給される業務改善助成金について、特例的な要件緩和・拡充を早急に行うことを政府に対し強く要望する。

 厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、本日9月14日付で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知しました。

脳・心臓疾患の労災認定基準を改正

 厚生労働省は、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正し、「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準」として、本日9月14日付で厚生労働省労働基準局長から都道府県労働局長宛てに通知しました。
 脳・心臓疾患の労災認定基準については、改正から約20年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、最新の医学的知見を踏まえて、厚生労働省の「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」において検証などを行い、令和3年7月16日に報告書が取りまとめられました。
 厚生労働省は、この報告書を踏まえて、脳・心臓疾患の労災認定基準を改正したものであり、今後、この基準に基づいて、迅速・適正な労災補償を行っていきます。

【認定基準改正のポイント】


■長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化

■長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し

■短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化

■対象疾病に「重篤な心不全」を追加

脳・心臓疾患の労災認定基準の改正概要

脳・心臓疾患の労災補償について

リーフレット

脳・心臓疾患の労災認定基準 改正に関する4つのポイント(R3.09)[PDF形式:578KB]

脳・心臓疾患の労災認定ー「過労死と労災保険ー(R2.09)[PDF形式:5541KB]

関係通達

血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について(令和3年9月14日付け 基発0914第1号)[PDF形式:221KB]

令和3年9月14日付け基発0914第1号付「血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準について」

 標記については、平成13年12月12日付け基発第1063号(以下「1063号通達」という。) により示してきたところであるが、今般、「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の検討結果を踏まえ、別添の認定基準を新たに定め、令和3年9月15日から施行するので、今後の取扱いに遺漏なきを期されたい。
 なお、本通達の施行に伴い、1063号通達及び昭和62年10月26日付け基発第620号は廃止する。

別紙

血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準

第1 基本的な考え方

 脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。以下「脳・心臓疾患」という。)は、その発症の基礎となる動脈硬化等による血管病変又は動脈瘤、心筋変性等の基礎的病態(以下「血管病変等」という。)が、長い年月の生活の営みの中で徐々に形成、進行及び増悪するといった自然経過をたどり発症するものである。
 しかしながら、業務による明らかな過重負荷が加わることによって、血管病変等がその自然経過を超えて著しく増悪し、脳・心臓疾患が発症する場合があり、そのような経過をたどり発症した脳・心臓疾患は、その発症に当たって業務が相対的に有力な原因であると判断し、業務に起因する疾病として取り扱う。
 このような脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼす業務による明らかな過重負荷として、発症に近接した時期における負荷及び長期間にわたる疲労の蓄積を考慮する。
 これらの業務による過重負荷の判断に当たっては、労働時間の長さ等で表される業務量や、業務内容、作業環境等を具体的かつ客観的に把握し、総合的に判断する必要がある。

第2  対象疾病
 本認定基準は、次に掲げる脳・心臓疾患を対象疾病として取り扱う。
1    脳血管疾患
①脳内出血(脳出血
②くも膜下出
③脳梗
④高血圧性脳症
2  虚血性心疾患
①心筋梗塞
②狭心症
③心停止(心臓性突然死を含む。)
④重篤な心不全
⑤大動脈解離

第3  認定要件

 次の(1)、(2)又は(3)の業務による明らかな過重負荷を受けたことにより発症した脳・心臓疾患は、業務に起因する疾病として取り扱う。
(1)発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(以下「長期間の過重業務」という。)に就労したこと。
(2)発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下「短期間の過重業務」という。)に就労したこと。
(3)発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事(以下「異常な出来事」という。)に遭遇したこと。

第4  認定要件の具体的判断

1  疾患名及び発症時期の特定
 認定要件の判断
に当たっては、まず疾患名を特定し、対象疾病に該当することを確認すること。
 また、脳・心臓疾患の発症時期は、業務と発症との関連性を検討する際の起点となるものである。通常、脳・心臓疾患は、発症の直後に症状が出現(自覚症状又は他覚所見が明らかに認められることをいう。)するとされているので、臨床所見、症状の経過等から症状が出現した日を特定し、その日をもって発症日とすること。
 なお、前駆症状(脳・心臓疾患発症の警告の症状をいう。)が認められる場合であって、当該前駆症状と発症した脳・心臓疾患との関連性が医学的に明らかとされたときは、当該前駆症状が確認された日をもって発症日とすること。

2  長期間の過重業務
(1)疲労の蓄積の考え方

 恒常的な長時間労働等の負荷が長期間にわたって作用した場合には、「疲労の蓄積」が生じ、これが血管病変等をその自然経過を超えて著しく増悪させ、その結果、脳・心臓疾患を発症させることがある。
 このことから、発症との関連性において、業務の過重性を評価するに当たっては、発症前の一定期間の就労実態等を考察し、発症時における疲労の蓄積がどの程度であったかという観点から判断することとする。
(2)特に過重な業務
 特に過重な業務とは、日常業務に比較して特に過重な身体的、精神的負荷を生じさせたと客観的に認められる業務をいうものであり、日常業務に就労する 上で受ける負荷の影響は、血管病変等の自然経過の範囲にとどまるものである。ここでいう日常業務とは、通常の所定労働時間内の所定業務内容をいう。(3)評価期間
 発症前の長期間とは、発症前おおむね6か月間をいう。なお、発症前おおむね6か月より前の業務については、疲労の蓄積に係る業務の過重性を評価するに当たり、付加的要因として考慮すること。
(4)過重負荷の有無の判断
ア  著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同種労働者にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められる業務であるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
 ここでいう同種労働者とは、当該労働者と職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者をいい、基礎疾患を有していたとしても日常業務を支障なく遂行できるものを含む。
イ 長期間の過重業務と発症との関係について、疲労の蓄積に加え、発症に近接した時期の業務による急性の負荷とあいまって発症する場合があること から、発症に近接した時期に一定の負荷要因(心理的負荷となる出来事等) が認められる場合には、それらの負荷要因についても十分に検討する必要があること。
 すなわち、長期間の過重業務の判断に当たって、短期間の過重業務(発症に近接した時期の負荷)についても総合的に評価すべき事案があることに留意すること。
ウ  業務の過重性の具体的な評価に当たっては、疲労の蓄積の観点から、以下に掲げる負荷要因について十分検討すること。
(ア) 労働時間
a 労働時間の評価
 疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、①発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること。
②発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。
 ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。
b 労働時間と労働時間以外の負荷要因の総合的な評価
 労働時間以外の負荷要因(後記(イ)から(カ)までに示した負荷要因をいう。以下同じ。)において一定の負荷が認められる場合には、労働時間の状況をも総合的に考慮し、業務と発症との関連性が強いといえるかどうかを適切に判断すること。
 その際、前記a②の水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められる場合には、特に他の負荷要因の状況を十分に考慮し、そのような時間外労働に加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。
 ここで、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に考慮するに当たっては、労働時間がより長ければ労働時間以外の負荷要因による負荷がより小さくとも業務と発症との関連性が強い場合があり、また、労働時間以外の負荷要因による負荷がより大きければ又は多ければ労働時間がより短くとも業務と発症との関連性が強い場合があることに留意すること。
(イ) 勤務時間の不規則性
a 拘束時間の長い勤務

 拘束時間とは、労働時間、休憩時間その他の使用者に拘束されている時間(始業から終業までの時間)をいう。
 拘束時間の長い勤務については、拘束時間数、実労働時間数、労働密度(実作業時間と手待時間との割合等)、休憩・仮眠時間数及び回数、休憩・仮眠施設の状況(広さ、空調、騒音等)、業務内容等の観点から検討し、評価すること。
 なお、1日の休憩時間がおおむね1時間以内の場合には、労働時間の項目における評価との重複を避けるため、この項目では評価しない
b 休日のない連続勤務
 休日のない(少ない)連続勤務については、連続労働日数、連続労働日と発症との近接性、休日の数、実労働時間数、労働密度(実作業時間と手待時間との割合等)、業務内容等の観点から検討し、評価すること。その際、休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連性をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものであることを踏まえて適切に評価すること。
c  勤務間インターバルが短い勤務勤務間
 インターバルとは、終業から始業までの時間をいう。
 勤務間インターバルが短い勤務については、その程度(時間数、頻度、連続性等)や業務内容等の観点から検討し、評価すること。
 なお、長期間の過重業務の判断に当たっては、睡眠時間の確保の観点から、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性等について検討し、評価すること。
d 不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務
 「不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務」とは、予定された始業・終業時刻が変更される勤務、予定された始業・終業時刻が日や週等によって異なる交替制勤務(月ごとに各日の始業時刻が設定される勤務や、週ごとに規則的な日勤・夜勤の交替がある勤務等)、予定された始業又は終業時刻が相当程度深夜時間帯に及び夜間に十分な睡眠を取ることが困難な深夜勤務をいう。
 不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務については、予定された業務スケジュールの変更の頻度・程度・事前の通知状況、予定された業務スケジュールの変更の予測の度合、交替制勤務における予定された始業・終業時刻のばらつきの程度、勤務のため夜間に十分な睡眠が取れない程度(勤務の時間帯や深夜時間帯の勤務の頻度・連続性)、一勤務の長さ(引き続いて実施される連続勤務の長さ)、一勤務中の休憩の時間数及び回数、休憩や仮眠施設の状況(広さ、空調、騒音等)、業務内容及びその変更の程度等の観点から検討し、評価すること。
(ウ) 事業場外における移動を伴う業務
a 出張の多い業務

 出張とは、一般的に事業主の指揮命令により、特定の用務を果たすために通常の勤務地を離れて用務地へ赴き、用務を果たして戻るまでの一連の過程をいう。
 出張の多い業務については、出張(特に時差のある海外出張)の頻度、 出張が連続する程度、出張期間、交通手段、移動時間及び移動時間中の状況、移動距離、出張先の多様性、宿泊の有無、宿泊施設の状況、出張中における睡眠を含む休憩・休息の状況、出張中の業務内容等の観点から検討し、併せて出張による疲労の回復状況等も踏まえて評価すること。
 ここで、飛行による時差については、時差の程度(特に4時間以上の時差の程度)、時差を伴う移動の頻度、移動の方向等の観点から検討し、評価すること。
 また、出張に伴う勤務時間の不規則性についても、前記(イ)により適切に評価すること。
b  その他事業場外における移動を伴う業務
 その他事業場外における移動を伴う業務については、移動(特に時差のある海外への移動)の頻度、交通手段、移動時間及び移動時間中の状況、移動距離、移動先の多様性、宿泊の有無、宿泊施設の状況、宿泊を伴う場合の睡眠を含む休憩・休息の状況、業務内容等の観点から検討し、併せて移動による疲労の回復状況等も踏まえて評価すること。
 なお、時差及び移動に伴う勤務時間の不規則性の評価については前記aと同様であること。
(エ)  心理的負荷を伴う業務
 心理的負荷を伴う業務については、別表1及び別表2に掲げられている日常的に心理的負荷を伴う業務又は心理的負荷を伴う具体的出来事等について、負荷の程度を評価する視点により検討し、評価すること。
(オ) 身体的負荷を伴う業務
 身体的負荷を伴う業務については、業務内容のうち重量物の運搬作業、人力での掘削作業などの身体的負荷が大きい作業の種類、作業強度、作業量、作業時間、歩行や立位を伴う状況等のほか、当該業務が日常業務と質的に著しく異なる場合にはその程度(事務職の労働者が激しい肉体労働を行うなど)の観点から検討し、評価すること。
(カ)  作業環境
 長期間の過重業務の判断に当たっては、付加的に評価すること。
a 温度環境温度環境については、寒冷・暑熱の程度、防寒・防暑衣類の着用の状況、一連続作業時間中の採暖・冷却の状況、寒冷と暑熱との交互のばく露の状況、激しい温度差がある場所への出入りの頻度、水分補給の状況等の観点から検討し、評価すること。
b 騒音騒音については、おおむね80dBを超える騒音の程度、そのばく露時間・期間、防音保護具の着用の状況等の観点から検討し、評価すること。

3 短期間の過重業務
(1)特に過重な業務
 特に過重な業務の考え方は、前記2(2)と同様である。
(2)評価期間
 発症に近接した時期とは、発症前おおむね1週間をいう。
 ここで、発症前おおむね1週間より前の業務については、原則として長期間の負荷として評価するが、発症前1か月間より短い期間のみに過重な業務が集中し、それより前の業務の過重性が低いために、長期間の過重業務とは認められないような場合には、発症前1週間を含めた当該期間に就労した業務の過重性を評価し、それが特に過重な業務と認められるときは、短期間の過重業務に就労したものと判断する。
(3)過重負荷の有無の判断
ア  特に過重な業務に就労したと認められるか否かについては、業務量、業務内容、作業環境等を考慮し、同種労働者にとっても、特に過重な身体的、精神的負荷と認められる業務であるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
イ  短期間の過重業務と発症との関連性を時間的にみた場合、業務による過重な負荷は、発症に近ければ近いほど影響が強いと考えられることから、次に示す業務と発症との時間的関連を考慮して、特に過重な業務と認められるか否かを判断すること。
① 発症に最も密接な関連性を有する業務は、発症直前から前日までの間の業務であるので、まず、この間の業務が特に過重であるか否かを判断すること。
② 発症直前から前日までの間の業務が特に過重であると認められない場合であっても、発症前おおむね1週間以内に過重な業務が継続している場合には、業務と発症との関連性があると考えられるので、この間の業務が特に過重であるか否かを判断すること。
 なお、発症前おおむね1週間以内に過重な業務が継続している場合の継続とは、この期間中に過重な業務に就労した日が連続しているという趣旨であり、必ずしもこの期間を通じて過重な業務に就労した日が間断なく続いている場合のみをいうものではない。したがって、発症前おおむね1週間以内に就労しなかった日があったとしても、このことをもって、直ちに業務起因性を否定するものではない
ウ 業務の過重性の具体的な評価に当たっては、以下に掲げる負荷要因について十分検討すること。
(ア) 労働時間労働時間の長さは、業務量の大きさを示す指標であり、また、過重性の評価の最も重要な要因であるので、評価期間における労働時間については十分に考慮し、発症直前から前日までの間の労働時間数、発症前1週間の労働時間数、休日の確保の状況等の観点から検討し、評価すること。
 その際、①発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合、②発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合等(手待時間が長いなど特に労働密度が低い場合を除く。)には、業務と発症との関係性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。
 なお、労働時間の長さのみで過重負荷の有無を判断できない場合には、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合的に考慮して判断する必要が ある。
(イ)  労働時間以外の負荷要因労働時間以外の負荷要因についても、前記2(4)ウ(イ)ないし(カ)において各負荷要因ごとに示した観点から検討し、評価すること。ただし、長期間の過重業務における検討に当たっての観点として明示されている部分を除く。
 なお、短期間の過重業務の判断においては、前記2(4)ウ(カ)の作業環境について、付加的に考慮するのではなく、他の負荷要因と同様に十分検討すること。

4 異常な出来事
(1)異常な出来事

 異常な出来事とは、当該出来事によって急激な血圧変動や血管収縮等を引き起こすことが医学的にみて妥当と認められる出来事であり、具体的には次に掲げる出来事である。
ア  極度の緊張、興奮、恐怖、驚がく等の強度の精神的負荷を引き起こす事態
イ  急激で著しい身体的負荷を強いられる事態
ウ  急激で著しい作業環境の変化
(2)評価期間

 異常な出来事と発症との関連性については、通常、負荷を受けてから24時間以内に症状が出現するとされているので、発症直前から前日までの間を評価期間とする。
(3)過重負荷の有無の判断
 異常な出来事と認められるか否かについては、出来事の異常性・突発性の程度、予測の困難性、事故や災害の場合にはその大きさ、被害・加害の程度、緊張、興奮、恐怖、驚がく等の精神的負荷の程度、作業強度等の身体的負荷の程度、気温の上昇又は低下等の作業環境の変化の程度等について検討し、これらの出来事による身体的、精神的負荷が著しいと認められるか否かという観点から、客観的かつ総合的に判断すること。
 その際、①業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した場合、②事故の発生に伴って著しい身体的、精神的負荷のかかる救助活動や事故処理に携わった場合、③生命の危険を感じさせるような事故や対人トラブルを体験した場合、④著しい身体的負荷を伴う消火作業、人力での除雪作業、身体訓練、走行等を行った場合、⑤著しく暑熱な作業環境下で水分補給が阻害される状態や著しく寒冷な作業環境下での作業、温度差のある場所への頻回な出入りを行った場合等には、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること。

第5  その他
1  基礎疾患を有する者についての考え方

 器質的心疾患(先天性心疾患、弁膜症、高血圧性心疾患、心筋症、心筋炎等) を有する場合についても、その病態が安定しており、直ちに重篤な状態に至るとは考えられない場合であって、業務による明らかな過重負荷によって自然経過を超えて著しく重篤な状態に至ったと認められる場合には、業務と発症との関連が認められるものであること。
 ここで、「著しく重篤な状態に至った」とは、対象疾病を発症したことをいう。

2 対象疾病以外の疾病の取扱い
(1)動脈の閉塞又は解離

 対象疾病以外の体循環系の各動脈の閉塞又は解離については、発生原因が様々であるが、前記第1の基本的考え方により業務起因性の判断ができる場合もあることから、これらの疾病については、基礎疾患の状況や業務の過重性等を個別に検討し、対象疾病と同様の経過で発症し、業務が相対的に有力な原因であると判断できる場合には、労働基準法施行規則別表第1の2第11号の「その他業務に起因することの明らかな疾病」として取り扱うこと。
(2)肺塞栓症
 肺塞栓症やその原因となる深部静脈血栓症については、動脈硬化等を基礎とする対象疾病とは発症機序が異なることから、本認定基準の対象疾病としていない。
 肺塞栓症等については、業務による座位等の状態及びその継続の程度等が、深部静脈における血栓形成の有力な要因であったといえる場合に、労働基準法施行規則別表第1の2第3号5の「その他身体に過度の負担のかかる作業態様の業務に起因することの明らかな疾病」として取り扱うこと。

第6  複数業務要因災害
 労働者災害補償保険法第7条第1項第2号に定める複数業務要因災害による 脳・心臓疾患に関しては、本認定基準における過重性の評価に係る「業務」を「二以上の事業の業務」と、また、「業務起因性」を「二以上の事業の業務起因性」と解した上で、本認定基準に基づき、認定要件を満たすか否かを判断する。
 その上で、前記第4の2ないし4に関し以下に規定した部分については、これにより判断すること。
1  二以上の事業の業務による「長期間の過重業務」及び「短期間の過重業務」の判断前記第4の2の「長期間の過重業務」及び同3の「短期間の過重業務」に関し、 業務の過重性の検討に当たっては、異なる事業における労働時間を通算して評価する。
 また、労働時間以外の負荷要因については、異なる事業における負荷を合わせて評価する。
2 二以上の事業の業務による「異常な出来事」の判断前記第4の4の「異常な出来事」に関し、これが認められる場合には、一の事業における業務災害に該当すると考えられることから、一般的には、異なる事業における負荷を合わせて評価することはないものと考えられる。

血管病変等を著しく増悪させる業務による脳血管疾患及び虚血性心疾患等の認定基準に係る運用上の留意点について(令和3年9月14日付け 基補発0914第1号)[PDF形式:216KB]

「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表

 令和3年7月16日、厚生労働省は、「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書を公表した。主な報告書の内容は、現行基準に加え、労働時間以外の負荷として、業務と発症との関連性が強いと評価できることを明示し、「休日のない連続勤務」、「勤務間インターバルが短い勤務」、「身体的負荷を伴う業務」を新たに規定、業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化するとともに、「重篤な心不全」を追加した。この報告を受け、厚生労働省は、速やかに脳・心臓疾患の労災認定基準を改正するとしている。

「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」の報告書

報告書のポイント

■業務の過重性の評価について「長期間にわたる疲労の蓄積」と「発症に近接した時期の急性の負荷」が発症に影響を及ぼすとする現行基準の考え方は妥当

■「長期間にわたる疲労の蓄積」(「長期間の過重業務」)について、現行基準に加えて

・労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められ、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できることを明示

・労働時間以外の負荷要因として、「休日のない連続勤務」、「勤務間インターバルが短い勤務」及び「身体的負荷を伴う業務」を新たに規定し、他の負荷要因も整理

■「発症に近接した時期の急性の負荷」(「異常な出来事」と「短期間の過重業務」)について

・業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化

■認定基準の対象疾病に、「重篤な心不全」を追加

「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」報告書はここをクリック

 令和3年7月20日に 労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令が改正され、労災保険の特別加入制度について、その対象に 原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業 及び 情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業 が追加されました。労災保険料率は、 1000分の3 とされました。公布は、令和3年7月20日で施行は、令和3年9月1日からです。

 令和3年7月20日に 労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令が改正され、労災保険の特別加入制度について、その対象に 原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業 及び 情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業 が追加されました。労災保険料率は、 1000分の3 とされました。公布は、令和3年7月20日で施行は、令和3年9月1日からです。

労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令の概要

1 改正の趣旨

〇 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)において、フリーランスとして働く者等の労働者でない者については労災保険の強制加入の対象とはなっていないところ、第83回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会建議(令和元年12月23日)において「・・・社会経済情勢の変化も踏まえ、特別加入の対象範囲や運用方法等について、適切かつ現代に合った制度運用となるよう見直しを行う必要がある。」とされ、また、成長戦略実行計画(令和2年7月17日閣議決定)において「フリーランスとして働く人の保護のため、労働者災害補償保険の更なる活用を図るための特別加入制度の対象拡大等について検討する。」とされた。

〇 これを踏まえ、国民に対する意見募集及び関係団体からのヒアリングを行い、労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会において議論いただいたところ、以下の事業又は作業を行う、労働者以外の者について特別加入制度の対象範囲とするべきとされた。

・自転車を使用して行う貨物の運送の事業
・情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業

〇 したがって、上記の事業又は作業について、特別加入制度の対象範囲とするよう所要の改正を行う。

〇 なお、併せて、これまで通達において特別加入の対象と認めてきた原動機付自転車についても、省令において、明確に規定することとする。

2 改正の内容

(1)労働者災害補償保険法施行規則(昭和30年労働省令第22号。以下「労災則」という。)第46条の17を改正し、「原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業」を一人親方等が行う事業として同条第1号に追加する。また、労災則第46条の18を改正し、「情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業」を特定作業従事者として新たに追加する。

(2)第2種特別加入保険率について、情報処理システムの設計等の情報処理に係る作業については1000分の3として新たに設定する。

※原動機付自転車又は自転車を使用して行う貨物の運送の事業については、既存の自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業と同じく1000分の12とする。

(3)その他、所要の規定の整備を行う。

3 根拠条文・労災保険法

 第8条の2第2項第1号、第33条第3号及び第5号並びに第50条・労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第14条第1項

4 施行期日等

 公布日:令和3年7月20日
 施行期日:令和3年9月1日

労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令

 働き方改革関連法の改正により、使用者は、法定の年次有給休暇が10日以上ある労働者 (管理監督者や有期雇用労働者も含む) に対して、そのうち5日については、1年以内に労働者ごとに時季を指定して付与することが、新たに義務づけられました。

原則となる付与 日数

 使用者は、労働者が雇入れの日から6か月間継続勤務し、その6か月間の全労働日の8割以上を出勤した場合には、原則として10 日の年次有給休暇を与えなければなりません 。対象労働者には管理監督者 や有期雇用労働者も含まれます。

パートタイム労働者など所定労働日数が少ない労働者に対する付与日数

 パートタイム労働者など、所定労働 日数が少ない労働者については、年次有給休暇の日数は所定労働日数に応じて比例付与されます 。
 比例付与の対象となるのは、所定労働時間が週30時間未満で、かつ、週所定労働日数が4日以下または年間の所定労働日数が216日以下の労働者です。

年次有給休暇の取得時季

 年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えること とされていますので、労働者が具体的な月日を指定した場合には、以下の「時季変更権」による場合を除き、その日に年次有給休暇を与える必要があります。

時季変更権

 使用者は、労働者から年次有給休暇を請求された時季に、年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合(同一期間に多数の労働者が休暇を希望したため、その全員に休暇を付与し難い場合等)には、他の時季に年次有給休暇の時季を変更することができます。

年次有給休暇の繰越し

 年次有給休暇の請求権の時効は2年であり、前年度に取得されなかった年次有給休暇は翌年度に与える必要があります。

不利益取扱の禁止

 年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければなりません。(具体的には、精皆勤手当や賞与の額の算定などに際して、年次有給休暇を取得した日を欠勤または欠勤に準じて取扱うなど、不利益な取扱いをしないようにしなければなりません。)

年次有給休暇の計画的付与

 年次有給休暇は、計画的に時季を定めて与えることが可能です。ただし、労働者が自ら請求・取得できる年次有給休暇を最低5日残す必要があります。また、労使協定が必要です。

半日単位の年次有給休暇

 年次有給休暇は1日単位で取得することが原則ですが、労働者が半日単位での取得を希望して時季を指定し、使用者が同意した場合であれば、1日単位取得の阻害とならない範囲で、半日単位で年次有給休暇を与えることが可能です。

時間単位の年次有給休暇

 年次有給休暇は1日単位で取得することが原則ですが、労働者が時間単位での取得を請求した場合には、年に5日を限度として、時間単位で年次有給休暇を与えることが可能です。ただし、労使協定が必要です。

使用者の時季指定の年次有給休暇

 働き方改革関連法の改正により、使用者は、法定の年次有給休暇が10日以上ある労働者 (管理監督者や有期雇用労働者も含む) に対して、そのうち5日については、1年以内に労働者ごとに時季を指定して付与することが、新たに義務づけられました。
 また、年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。
 さらに、休暇に関する事項は就業規則の絶対的必要記載事項(労働基準法第 89 条)であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。
 なお、罰則の適用は、年5日の年期有休休暇を与えなかった場合、就業規則の使用者の時季指定の年次有給休暇について規定していなかった場合ですが、年次有給休暇管理簿の作成には、罰則の適用はありません。

5日以上の付与の例

● 年次有給休暇を5日以上取得済みの労働者に対しては、使用者による時季指定は不要。
(※)労働者が自ら申し出て取得した日数や、労使協定で取得時季を定めて与えた日数(計画的付与)については、5日から控除することができる。
(例) 
 労働者が自ら5日取得した場合             ⇒ 使用者の時季指定は不要 
 労働者が自ら3日取得+計画的付与2日の場合   ⇒         〃
 労働者が自ら3日取得した場合             ⇒ 使用者は2日を時季指定
  計画的付与で2日取得した場合             ⇒      〃3日〃 
  注1 繰越分で5日取得しても可
    2 法定を上回って10日付与する場合の5日の時季指定(この場合も必要)
● 時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければならない。

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